君が何と言おうとも、僕は運命を抱き締める。

第16話〜じゃあね〜 ページ19

珱sibe

『天使』の形をした『悪魔』？

｢ぁぁ……ぅぁ…｣

私は微かな悲鳴が出てきた。

…なんで、あれはもう思い出したくない…

心では拒んでいるのに、あの記憶が脳は無理矢理思い出そうとしている

私の脳裏にあの悪魔の気味悪い笑みが出てきた。

思い出したくな……い、また苦しくなるから

私の心の叫びは届かず嫌な思い出が出てきてしまう。

そして、私は過呼吸を起こし、膝が崩れ落ちてしまった。

お母さんは直ぐに気付き、

『珱！？大丈夫！？』

そう言って私の背中を揺すってくれていている。

ここにはお母さんがいるから大丈夫。お母さんは裏切らないから

そう思っていると次第に心は落ち着いていき、安心感が湧いてくる

お母さんに｢ありがとう。お母さん。落ち着いたよ｣と言った

そしたらお母さんは『良かった〜。急に過呼吸を起こすからビックリしちゃった』と言い優しい笑顔を作った






急に背中に寒気がし横を見てみると……

……まだ……入る………の？

だとしたら、なんで？お母さんは見えてないの？





きっと幻覚なんだよ。私の嫌な幻覚



ただの幻覚だから大丈夫






あれ？少し周りが、見えずらいような？


『珱。ここではもうバイバイだね。貴方を起きるのを待っている人が入るから、大丈夫。でも、心配だったらこれをお母さんだと思って持っていてね？約束だよ？』

私はお母さんに"綺麗なコバルトスピネルのブレスレット"をくれた




｢なん…で？お母…さん、一緒に…居てよ…｣

ぐっと涙を堪えた。



そして疑問が出てきた。

ここは天国でしょ？なんで？ここでさよならだと、お母さんにもう会えないんだよ？

嫌…だよ…地上なんて…嫌いなのに…




お母さんは私の手を握りながら『じゃあね珱。貴方ならきっと大丈夫だから。あっちの世界でも元気で居てね？』

私はその言われた言葉が胸に効き、涙を溢してしまった。

｢お母…さんっ。わかった…よ。ありがと…ね…じゃあ…ね｣




私が言ったときにはほぼほぼお母さんが見えてなかった




最後に一瞬だけ、お母さんの笑顔と温もり、そして微かに花の香りがした






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言葉
"コバルトスピネル"
深いブルー又は紺色のコバルトスピネル。スピネルの中でも希少で高価。
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