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第13話〜動け、そして離れろ〜 ページ16

『挨拶を忘れていたよ。僕は希久弥颯天。元妖精族で今はなんでもないんだ』

颯天と名乗る男は、少しずつ私に近付いて来る。

元妖精族?

今はなんでもない?

そう考えれば考える程、目の前の男が不思議な存在に思えて来る。

すると

『大丈夫?立てるかな?』

颯天が私に向かって、手を差し伸ばして来た。


駄目だ。


理性では、理解しようとしているのに。


過去の、記憶が私の本能を震えさせる。



私は、致命傷を負った身体で颯天から離れた。

身体の至るところから、悲鳴が聞こえる。


そして




グジュ……


音を立てて、傷口から、とんでもない量の血液が溢れ出した。

「くっ……」

私は激痛に顔を歪めながら、地面に倒れ込んだ。

『凄いな、それだけの致命傷を負っておきながらその動きの素早さ……ただ者じゃ無いみたいだね……』




颯天が一歩ずつ、ゆっくりと私に近付く。



『でも、君の身体はボロボロなんだ。無理をしたら駄目だ』



怪しい雰囲気とは対照的な優しい声が、妙に私の鼓膜を震えさせる。




あぁ、その声に、私の身体を預けたならどんなに楽だろう。



疼く頭の片隅で、そんな事を考えた。



でもその考えは、簡単に黒い過去に塗り潰されてしまった。




信じたら




駄目だ


信用すればする程



裏切られた時の悲しみは大きくなる。




動け、私の身体。


今すぐ、この男から離れろ。



動け、動け、動け、動け、動け!





どれだけ理性が本能に呼び掛けようとも、本能がそれに応える事はなかった。




頭の裏と胸の奥に冷たい何かが広がるのを感じながら







見えない何かに助けを求める様に歪む視界に手を伸ばした。








私…………死にたく…ない。




でももう、身体は動かなかった。


鉛の様に重く、冷たかった。




私は淡い絶望を噛み締めると、どこか遠くへ



遠くへ






意識を手放していた。

第14話〜魔力の限界と魔術師の覚悟〜→←第12話〜助けられた?〜



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ロリコンサンダー - ロリンズさん» ありがとうございます!お互い忙しくてなかなか更新出来ませんが、更新されるまで僕達2人の小説を読んで待っていてください!! (5月8日 21時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
ロリンズ - ロリコンサンダーさん、莉愛さん、面白いです!流石ですね! (5月2日 19時) (レス) id: 4efbbddfc3 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - 遅くなって申し訳ございません!お詫びに今まで以上に文才をフル活用して頑張りました!これから僕の更新が遅れてしまうかも知れません!申し訳ございませぇん!! (4月14日 1時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛(プロフ) - 此所で宣伝するけど募集企画作ったんでやってくれるとめっちゃ嬉しいです! (2月24日 9時) (レス) id: ed92431d27 (このIDを非表示/違反報告)
ロリコンサンダー - シソのさん» えへへ…///照れるなぁ…///ありがとうございます!これからも頑張ります!(莉愛ちゃん上手なんだから胸張って!) (2月13日 16時) (レス) id: 6a276d2734 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉愛&ロリコンサンダー | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年12月29日 11時

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