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L side
僕を見つめてくるAさん
まぁ、Aさんじゃないらしいけど…
「“私”はよくスカウトされるでしょ?あの時もそうだったの。日本で頑張って、一流のスタイリストになった。それでも物足りなくて、海外に行きたいと思ってたら、偶然にもスカウトされて、韓国で働くことになった」
すると、目を閉じ、何かを思い出すようにして鼻で笑うAさん
「でもね、自分の技術の無さを知って、悔しくってあの場所でよく泣いてた。それをそうね、たまたま通りすがった貴方が物凄く慌てた顔で駆け寄ってきて」
L「大丈夫ですか?」
なんでかわからないけど、そういった気がして、僕はAさんの話を切った
驚きを見せたAさんは微笑んで
「そう…そして、“私”が「あっち行って!」って言って顔を上げた途端、貴方はすごく真剣な顔になって、パーカーをかけてくれたのよね。それから、私はもう一度貴方に会いたくてパーカーだって返さなきゃとか思ってたのに、いつの間にか忘れてしまったの」
時は待ってくれないから…とAさんはまた悲しそうな目をして僕から目を少し逸らした
「バカね、ここはこんなに覚えているのに、あっちはすぐに忘れちゃうなんて」
ここと指さしたのは胸で、あっちと指さしたのは頭だった
「“私”はそれから事故にあったの」
初耳だった。
「事故にあったときは、道の向こう側に貴方を見つけた時だった。信号が青になった途端走り出したら信号無視をしようとした車に撥ねられたのよ。車側はブレーキが間に合わなかっただけなの。沢山の人が私に群がってくるのに、それを避けて進んでいく貴方を霞んでいく目でしっかり追いかけて、意識がなくなって、気がついたら病院に居たわ」
「外傷もなくて、全然普通だったんだけど、貴方との記憶は失くなってた。でも、勿論、それに“私”は気づいてなかった。それから、スタイリストを探しているグループがいると紹介されて」
L「それが…僕ら?」
「えぇ…“私”は多分、あの時の記憶を消してるんじゃなくて、閉じ込めている…あの場所に行ってみて、この話をしてみて、“私”が何か変わるかもしれない」
L「今までのAじゃなくなる恐れは?」
「さぁね…試してみるのも貴方次第よ」
意味有りげな笑みを浮かべるとAさんは消えて、写真立てが手に握られていた
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Lovevixx - テグナ... (2015年9月22日 23時) (レス) id: 19a47d9bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびっくす - レオLOVEさん» 大好きだなんて…(T_T)ありがとうございます(T_T)頑張って更新しますね! (2015年8月24日 23時) (レス) id: 6ac3faa541 (このIDを非表示/違反報告)
レオLOVE - ちびっくすさんの作品が大好きで沢山のお話読まして頂きました!その中でも失った記憶が好きです!これからも更新楽しみにしています(*´ω`*)レオ君もちびっくすさんも頑張ってください!! (2015年8月23日 19時) (レス) id: e398f2f105 (このIDを非表示/違反報告)
lovevixx/rei - こうしんふぁいてぃん (2015年7月30日 23時) (レス) id: 19a47d9bf4 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE@VIXX/rei - テグナ...早く記憶戻って><更新ファイティン!! (2015年7月15日 7時) (レス) id: 05f1980ac6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちびっくす | 作成日時:2015年5月12日 19時