失った記憶

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倒れてしまった関係者の人、泣きそうなモデル
ここで私のいつものスイッチが入る

　「ちょっとごめんなさい」

モデルの足元に座り込んでドレスの生地を調べ、赤くなった部分の範囲を調べ、生地の赤くなった部分の少し上を持つ

モ「え!?な、何してるの!?」
　「じっとしてて!これ以上酷くなってもいいの?」

関係者の人はこちらをじっと見ていた、台無しになるかもしれない、この業界から追い出されるかもしれない、怖い…

でも!ファッションショーまで後20分、やるしかない!

私はドレスの生地を引き裂いた

モ「きゃぁ!!」

その悲鳴に周りもそわそわしていたが、

関「他の者は自分に集中しなさい!」

その一言で雰囲気が変わった
私は破った所をくるくると巻き上げて、針と糸で紡ぐ
すると、ビリビリになっていた所は裏生地のレースによってフワフワとなる
足首まであったウェディングドレスは膝上までの高さになる
涙で落ちていたメイクを新しく整え、本番になる。

なんとかショーは無事に終わり、デザイナーも喜んでいた

VIXXの元へ戻ろうとすると、さっきのモデルがこちらへ来て、ありがとうございましたと言って大粒の涙を流していた

それから後に関係者の人が走ってきた

関「Aさん!!」

高いヒールのパンプスで走ってくるなんて勇者だ…

　「あ、あの!えっとさっきはドレス破っちゃってすいませんでした!!」

私は急いで深々とお辞儀して謝罪をした

関「あぁ、あれは気にしてないの、それより」

私に名刺を差し出して

関「私とパリで仕事しない?」
　「え?」
関「貴女なら素晴らしいスタイリストとして活躍できると思うの!」
　「でも、私」
関「すぐにとは言わないわ。仕事もあるだろうし。興味があるならここに電話して」
　「え、でも私ここで仕事するつもりだから」
関「あ、呼ばれてる!それじゃあね!」
　「ちょっと!!」

結局名刺を無理矢理渡されてしまった

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