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インターホンの音でAは眠りから目が覚めた。
『んー...やばっ寝てた!!』
時計を見ると眠ってしまってから30分は経っている。ドタバタと駆け足で玄関の方へと急いだ。
『凪もしかして鍵忘れて...あっ』
ドアを開けると目の前には、玲王とまたもやおぶられて眠っている凪がいた。
「わりっちょっと張り切りすぎて練習量増やしちまったら凪のやつ寝ちゃって...如月も寝てた?」
顔に跡ついてるなんて言われればAはすぐさま顔を隠した。
『中入って...』
恥ずかしいなんて思いながらAはスタスタとリビングの方へと歩いていった。
「ほーい...おぃナギ起きろ着いたぞ。」
「んー...ねむぃ。」
「たくっ困った奴だな。…お邪魔しマース」
そう言うと玲王は凪をおんぶしたままAについて行った
「おっ美味そうじゃんっ」
テーブルに並べられてる料理達を見て玲王は瞳をキラキラ輝かせた。凪は玲王のおんぶから開放されるとしれっと自分の定位置である椅子へと座った。
『口に合うかは知らないから…』
「合わないことないだろ、如月が作った奴だし。」
にっと笑う相手の顔がキラキラしているので体制のないAはすぐに顔を逸らした。
「わー照れてる。」
『凪うるさい。』
茶化されるもAはすぐに椅子に座り手を合わせた。
その様子を見て玲王は嬉しそうに「いただきます。」と言うとオムライスを口に運んだ。
「美味い…」
その一言を呟くと玲王はぱくぱくっとオムライスを食べ続けていく様子を見て少しだけホッとした。
もしも、美味しくないなんて言われればストレートパンチをお見舞いしてやるのだがその後はきっと玲王の親にでも訴えられて終わる未来しか見えなかった。
「凪こんなん毎日食ってんの?」
「いや、毎週金曜日限定。」
オムライスを頬張りながら凪が答えると玲王は食べていた手を止めて少し考えた。
「ふーん、じゃあ俺も毎週金曜日に通おうかな」
『はぁ?』
いやいやいやいや、そんな毎週来られても困るなんて思うも美味しそうに食べている玲王の顔を見ると断れなかった。
それに少しだけ嬉しかった。
凪は食べることに執着がないので聞けば美味しいとは答えてくれるが自分からは発しないので言わせてる感が否めなかった。
お金持ちで絶対にこんな庶民が作った料理よりも美味しい料理いっぱい食べてきただろうに…。
『ほんと変な人…』
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蝶華(プロフ) - ひちゃさん» コメントありがとうございます。そう言って頂いてとても嬉しいですっ*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*ちょっとずつ更新して行くので見届けてくれると嬉しいです。 (2023年1月4日 7時) (レス) id: a17d0f1e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひちゃ(プロフ) - 初コメ失礼します。凪との関係性も玲王との距離感も全部最高の神作品でした、、、!無理せず更新頑張ってください! (2023年1月3日 23時) (レス) @page12 id: abb55eea3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶華 | 作成日時:2022年12月31日 7時