裏切り者 【The Dirty Dawg】

生まれ落ちた天使 【過去編】 ページ6

Aside


ある日全てを失った。


目の前には血だらけの母と父とそれを殺ったであろう「何か」をもった1人の男



「ここにいいガキがいるって聞いてたんだが男と女しかいなかったぞ。どーすんだよ」



電話で相手と話しているやつの手元を見ると何かマイクのようなものを握っていたのを覚えている



「まぁ、軍用にカスタマイズされたヒプノシスマイクを高額で買ったからには１回使おうと思ってたしいいか……」



「ん？あぁ、なかなかの性能だぜこのマイク。ちょっとリリックぶつけただけで2人とも逝っちまったよ」



頭の回転が早く、幼少期は天才だと言われていた私だからわかったのかもしれない



このマイクでお母さんとお父さんは死んだのだと。



私は震えた足に鞭打って音を立てずにキッチンに向かい包丁を取り出した



それを両親を殺った奴に刺してマイクを奪ったのが私の1番古い記憶



それからは酷い人生だった



生きていくためには食べなくてはいけない

食べるためにはお金がなくてはいけない



色々なことをしたのを覚えている



このマイクはラップをすることであのような効果がでるらしい


それを知ってからはひたすら語彙力を高めたりとラップの質を向上させていった



ラップバトルで勝てば勝つほど私の名声は上がっていった

それと同時に悪い噂ももちろん増えていった



最初は女のくせしてヒプノシスマイクを使うなんてと、女というだけで反感を買っていたがそんなやつらも次第に仲間になっていった




そんな時、私の目の前にとある4人が立ちはだかったんだ

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