裏切り者 【The Dirty Dawg】

敵対視【過去編】 ページ37

Aside



とりあえず4人にここに来てとだけ連絡して向かう




『はぁっ、はぁっ、、、、ここ…………？？』





携帯の地図を片手に目の前を見据えると明らかにドラマに出そうな工場




無「お前がFaith HHか？」




『なぁに？政府の皆さんはそんな谷間見せるような変態じみた服着るのが趣味なの？』



私と彼女の間にあからさまに火花が飛び散る




無「ふっ、強気な態度は認めてやろう。だが状況を確認したらどうだ？」




それもそうだ。今は圧倒的に私の立場が不利なのだ


『マイクで正々堂々と勝負する？』




無「やめておけ。そのマイクは普通のとは違うんだぞ」



『それくらい知ってるし』




無「いや、知らないだろう。そのマイクはな精神干渉が強いだけじゃなくて生体リンクまでするんだ」




『生体リンク…………？？』



生体リンクってなんだろう、そう思って彼女の瞳を見つめると口を開く




このマイクの大体の情報は私の知っているのと一緒だった。


精神干渉が強い。軍用にカスタマイズされたもの。試作品。政府が秘密裏に作った公にできないもの。



それともうひとつ




これは持ち主によって効力が変わるらしい




じゃあなぜ持ち主によって効力が変わるのかというとって話




このマイクは発せられた音に共鳴して精神干渉をする。それは持ち主本人に対してもだ。



そして精神干渉をしてそのマイクがこの持ち主はどういうやつなのかを見極めるらしい



例えば、寂雷がこのマイクを使ったのなら今以上に回復系の高いマイクになるということだ




けどそれは寂雷の場合であって私は違う




私の心の奥底には全てに対しての理不尽さへの憎しみ



その感情がいまマイクと干渉してきているらしい



その証拠にこの前マイクを使ったときに激しい動悸が起こったのだ



正直いってこの黒い気持ちを韻に乗せたらどうなるのかも政府のやつらはわからない



だからこそそうなった時の私を恐れている




『厄介すぎるマイクでしょこれ…………』





そう呟いて自身のマイクを見つめる





無「お前にやる選択肢は2つだ。1つ、ここで大人しく我々に殺されマイクを引き渡すこと。2つ、お前自身が政府の人間となるもの」




『前者はまだ置いといて、後者を設ける理由は？』




無「お前の才能を買いたいからだ。幼少期に過酷な日々を過ごしそれでも生き残ったお前を」




『……………………』

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