裏切り者 【The Dirty Dawg】

急接近？【過去 寂雷編】 ページ15

Aside


ゆっくり、それでいて的確に髪をするすると解いていく



医師だから器用な寂雷は細長い指先をわざとか私の首筋などにたまにあててくる



その度に私は肩をびくっとさせ、寂雷はくすくす笑っている声が聞こえるので確信犯だ




寂「髪はなにかしているのですか？」



『え、傷んでます？』



いえ、むしろ綺麗ですよと返される



寂「やっと解けました」



そういって自由になる髪



『もー変なことしないでよ？…………って聞いてないし』



ことの発端のガキ共は遊び行く〜といって私の話を聞かずに外に走り出す




お茶をついで椅子に腰掛けると隣に座ってくる寂雷




『寂雷って毎日髪自分で結ってるの？』



後ろに1つまとめてある髪を寂雷自身が結ってると考えただけで笑えるななんて思い聞いたら



寂「えぇ、これでも髪を結ぶのは得意なんですよ？」



『まじすか。』




私はそんな技術もってないななんて指先でくるくると自分の髪を弄ぶ




寂「ふふ、私が結んであげましょうか？」



もっと近づきなさいという彼に少し寄ると優しい、慣れた手つきで私の髪を触っていった



肩甲骨下まであるそこそこ長い髪は1回も結んだことがなく少しだけウキウキしている




寂「リクエストはありますか？？」




『り、リクエスト？？』




寂「はい。お団子とか編み込みとか他にも色々ありますが……」




お団子って髪で食べ物作れんの？？え、編み込みってなに？？



訳の分からない言葉に頭を悩ませていると、じゃあ私が勝手に弄りますねといわれる




『えっと、よろしくお願いします？』




寂「任せてください」




その前にすこしだけ髪を揃えようかとハサミを取りに行く寂雷





その間に【髪 結び方】と検索して、【フィッシュボーン】と出てきて驚くのはもう少し先の話だ

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