猿女のち彼女【碧棺左馬刻】

プールデートなぅ ページ32

Aside


左「人すくねぇな」


『そりゃあ冬ですし、開店と同時に入りましたし……』



そう、ついに先日婚姻届を出して最高潮に嬉しくなった私はデート行きませんか？！と誘ったのだ


夏だとすごくボンキュッボンな体型のおねー様方がいらっしゃるが、冬ならまぁいないだろうと踏んでの場所だ



『似合ってますか？私の水着』


といってその場でくるりと回る



背中のところでリボン結びする形の水着はなかなか高難度だったが可愛すぎて負けてしまい買ったのだ


左「それ紐引っ張ったら取れんじゃねぇのか？」


『私が紐取れるような間抜けだと思いますか？』


左「すげぇフラグ作ってる気ぃすんだけど」



まぁまぁといいつつプールに入っていく



『ちなみにここはですね』


とプールの説明をする



なんていっても新設の室内プールだ。



ウォータースライダーや流れるプール、屋台に浮き輪になんでもござれのこの施設



『有給とって平日の午前でよかった〜』



といって辺りを見る
さっきと比べて少し人が増えたが少ないものは少ない



『何よりも私は洞窟プールが楽しみなんですよ！』


左「ンだそれ」



洞窟プールというのは真っ暗なプールの中を進んでいき、壁に書かれてあったり、掛けられているお宝を見て楽しむというコーナーだ


『まぁ深さが結構あって私泳げないから大変なんですけど』



と零せば、泳げねぇのかよと笑われる


『それじゃあ私アイスクリーム買いいって来ますね！』


左「いや泳がねぇのかよ」



というあきれ声を後ろに聞いて走っていく



『アイスクリームください！』


「おうよっ！」


という優しいおじいちゃんの声を聞いてアイスクリームを片手にさっき居た場所に戻ると



「え〜指輪してる〜」


「結婚してるんだぁ。奥さん今いないんだったら私たちと遊ぼ？」



もうさぁ。水着姿の左馬刻とかめちゃくちゃかっこよかったよ？あえて触れなかったのになんで目を離したらすぐ女子に囲まれてるかね……


それでも前ほど嫉妬心や不安がないのは彼と私自身に付けられた指輪のおかげか


左手の薬指をなぞってアイスクリームを食べて踵返す


『ついでに浮き輪借りてこよ。』



なんて、たかが指輪でこんなに余裕があるのもどうなんだろうかと思いつつ、左馬刻をほっておいて浮き輪を借りに行った

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