猿女のち彼女【碧棺左馬刻】

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一郎side


一「なにやってるんですか……」


『あらいやですわ。バストアップですの。おほほほ』


さっきからこんな感じだ。

上の空ではないが何かと行動を起こして無理に気を紛らわせようとしている


『はぁ。』


胸に突っ込んでいた手を取り出してため息をつく彼女



さっきまで泣いていたことは触れない方がいいんだろう



『一郎さんが思うずっと一緒にいたい定義ってなんですか？』


一「えっと…………はい？」


『だから！ずっと一緒にいたいって思える子ってどんな人ですか！！』



正直困った。


多分今さっき、左馬刻はどうみても結婚指輪を売っている店からでていた


まぁそうはいっても入口から少し離れていたのでAが女といたと勘違いしていても仕方が無いと思うが


あのサイズの袋からしてなんとなく気づくだろ……


と呆れながらも彼女を見つめる



一「別に一緒にいたいってふとしたときに思うんじゃないっすか？」


『うわ、わかりにくい答えきた。』


といって天井を眺めるA



さっきから電話がきては出ずに放置しているAの携帯がうるさくて俺が手に取る



別室にいって出るマークを押せば


左「おいっっ、A？！」



と焦った左馬刻



一「残念だったな。Aじゃねぇよ」


と返せば盛大な舌打ちが聞こえる



左「おい、今Aどんな様子なんだよ」


と本当は俺になんか聞きたくないんだろうが余程心配してるが故の行動だろう


一「風呂上がりに俺の服着てバストアップしてますけど？」



と少し嫌味を込めて言葉を放てば



左「お前、Aに手ェ出したらマジで許さねぇからな｣


なんて、そんなこといえる余裕なんて本当はないくせに。そんなにAが大事かよ。


そう思って



一「別に手出しませんよ。あんたの匂いが染みまくった女なんて手出したくありませんから」


左「はっ！ほざけや、ゆーてお前だって女抱いたことあんまりねぇだろうがよ」


一「今は俺のほうが立場は有利なんだよ」


と返せば正論だったのが押し黙る左馬刻



左「…………明日Aが何時に仕事終わるか判明したら俺様に連絡入れろや」



一「めんどくさいけどやってやりますよ左馬刻さん。あとさっさとその箱渡してやってください」


左「さん付けしたと思ったらいっちょ前に説教垂れてんのか？…………まぁあんがとな」




電話を切ってみると夥しい着信数



一「こわっ」


とだけ呟きAのもとへ向かった

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