猿女のち彼女【碧棺左馬刻】

大喧嘩 ページ28

一郎side


『もう絶対に帰らないから！！』

一「まぁまぁ落ち着いてくださいよ」

『いーやーだーねー！！』



なんで俺は左馬刻の彼女を相手にしているんだっけと思う

遡ること数時間前……


朝メールが来ていたので開いてみると


『もうすぐ、左馬刻の誕生日だから一緒にプレゼント買いに行きませんか？(左馬刻が何喜ぶかわからない)』


と来ていた。心の声見えるどころか晒してるだろと思いながら俺でよければと返す


『いや〜よかった！一郎さんがいて！』


一「まぁ、俺がいたところで左馬刻が何欲しいかわかりませんけど」


『とかいいつつ何が左馬刻の好みかぐらいはわかるんじゃないの？？』


一「まぁ多少は」


といって一緒にデパートを回っていた


『ピアスはあるし、ネックレスもブレスレットも……』


意外と左馬刻のヤローは女があげたいと思うものを身につけているようで苦戦していた


『……指輪ってつけてたっけ？？』


と聞かれたので左馬刻の手を思い出す



一「多分つけてなかった……と思う」


と半信半疑で返せばじゃあ指輪売ってる店行こう！とかけ出す



そこで今の問題が起こったのだ



目の前には左馬刻と親しそうに話している女


左馬刻に小さな袋を渡してはにこやかに笑い左馬刻も満更ではなさそうにしてそれを受け取る


これは見せちゃいけないと思うが遅く


『なにあれ…………』



と呟くA。そのままどこか逃げ出すと思ったがむしろ左馬刻にガンガン近寄っていく



『ねぇ、左馬刻』


と声をかければギョッとして振り向く左馬刻


左「な、、なんでここにいんだよ」


『それはこっちのセリフなんだけど』


左「俺は用があってきたんだよ」


『ふーん。その人に会いに？』


ヒートアップしていく会話に入り込む隙間がない


というか左馬刻の手に持った袋と出てきた店を考えたら、もしかして……


と思って誤解なんじゃないかと声をかけようと近づいたら


『左馬刻がその気なら私だって浮気してやるから！！！』


といって俺の腕をとって走り出すA


左「おい！A！！」


という左馬刻を置いて思っきり走り抜ける



途中嗚咽を堪えながら泣いていたのは俺の見間違いではなかった

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