隣にあるスミレ【やふへゐ先生】

DAY15 ページ17

10分ほど歩いただろうか
公園についた

ようへいくんは公園に入り
私をベンチに座らせた
目の前には心配そうな表情をした彼がいる

怒っている？かな…
とりあえず謝らないと
そう思って口を開くが
肝心な声が出なかった

それに気がついたのか
ようへいくんが先に喋った


ようへい「ごめん。ついていってたわけじゃないから誤解はしないで」

A「…」

ようへい「とりあえず、俺らが来た経緯を話します」


車に乗っているときに
たまたまたなっちが私を見つけたらしい
様子がおかしいと思って急いで追いかけた
追いついたときに抵抗しているのを見て
「これはダメだ」と判断して
突撃したらしい

たまたまたなっちが見つけていなかったら
噂が流れたりしていたのだろう


A「…ごめんなさい」

ようへい「まぁ、Aちゃんが無事なだけよかった」

A「でも…」

ようへい「なにもされてない？」

A「されてない…」

ようへい「ほんと？」

A「うん」


ようへいくんは「ならよかった」とほっとしていた
が、すぐに真面目な顔つきになった


ようへい「Aちゃん、俺らに隠してることない？」

A「隠していること？」


だいちの鍵隠したのはもうバレてるし
たなっちのお菓子勝手に食べたのもバレたし…
あ、もしかして…


A「ツイッターのDM？」

ようへい「それ！……あ…」


言ってしまった…というような顔をしているが
まぁはじめかだいちが見始めたのだろう


A「なに？内容知ってるの？」

ようへい「…はい」

A「どうせはじめが見たんでしょ？」

ようへい「いや、俺が勝手に見た」

A「は？」


いや、ほんとに、なんで？変なこと呟いてないよね？
はじめならまだしも、ようへいくんだったら
責めることができない…


ようへい「で、はじめくんの家に戻る前に問いただします」

A「問いただすもなにも…あれは事実です」

ようへい「見たからそれはわかるけど…」


「なんていえばいいのかなー」と
考えながらようへいくんは隣に座った

相談しなかったことを言おうとしているのだろうけど
あえてなにも言わずにようへいくんが喋りだすのを
待っていることにした

きつく言いたくないのだろう
慎重に言葉を選んでいるようで
優しいんだなと思ってしまう

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