【文スト】ふぅん、私に逆らうんだ？【太宰治】

49#明日 ページ5

『…というか、何で此処に居るの！？』


今日の非番は私と賢治くん、与謝野女医だけだった筈。

何かを感じ取って有休でもとった？…否、真逆ね。


「サボり？」


けろっとした顔で云うな。

当たり前、みたいな顔して…

確かに何時もの事だったわ。

何時もソファーで伸びている事を思い出す。


『はぁ…今すぐ戻って。国木田さんが怒るよ？』


あの真面目な元数学教師の相棒がこんな巫山戯た包帯男だなんて可哀想ったらありゃしない。

此の前もストレスで胃に穴が空いたばかりだと聞いた。

それでも無理して仕事に行こうとするから、探偵社員総出で医務室に括り付けたっけ。

…で、約十秒後に聞こえた低く唸るチェンソーの音と切り裂くような国木田さんの悲鳴。

帰って来たのは艶やかになって伸びてる真面目な方の上司。


「えぇー…じゃあ、明日。用事空けといてね？」


『否、仕事が』


「ねぇ。」


『はい喜んでっ』


一体何の拷問ですか。

ねぇ、の一言で丸め込まれる私も私だけど。

でもしょうがないよね。つい先刻あんな目にあったら。

“もし、逆らったら？”心がそっと囁いた。

“また二の舞だよ！“心で叫ぶ。はい、論破。

自分の身を守る為には、下手に逆らわない事が第一。


『あ。明日の夜、だよね？』


「いや？朝から晩まで。」


莫迦ですか貴方は。

…やっぱり訂正。莫迦だよこの包帯野郎。

「太宰と仕事おサボりコース★」確定じゃないか。

嗚呼もう長いお説教は勘弁して欲しい。

一度、疲労からの重役出勤になってしまった事がある。

それで軽く二、三時間は正座させられていた、というのは未だ記憶に新しいんだから。


『拒否権は？』


「あると思うの？」


質問に質問で返すのね。

にっこり笑う太宰。

一言で云えば、不気味。

この状況を知らない赤の他人だったら、

屹度イチコロだったであろう笑みが無駄にも私に向けられている。


『あると思いたい。』


「え？」


『嘘ですごめんなさい』


…やっていけるだろうか。こんな人と。

あっ、仕事をね。

ん？あれ？何か引っかかる。



朝から…






______________晩まで？

50#何者→←48#お仕置き

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す