79#遅刻か否か ページ36
太宰に支えられながらも、よろよろと覚束無い足取りで探偵社への道を歩く。
あのね時々、大丈夫?なんて心配して呉れるけどね?
原 因 、 お 前 だ か ら 。
…其れに、最近非常に心のお口が悪いのは、誰のせいですかねえ。全く。
昨夜の彼は本当に非道かった。
お陰で腰が、歩けない程の激痛に参っちゃっているし。
出来るだけ急いでいる心算にも関わらず、進む距離は短く歩みは遅い。
漸との思いで武装探偵社の入り口まで辿り着くけれど。
もう既に、本来の出社時刻までは残り2分を切っている。
然し其処に立ち塞がったのは、
何時もなら全力で駆け上がってギリギリセーフの、4階まで続く此の階段。
此の魔物には、こんなに遅く歩いてちゃ絶対に、そう100%勝てやしない。
其れでも時間内に上りきらなければ、
国木田さんのお説教、正座で数時間コースだ。
何時も思う。怒っている時間が勿体無いな、って。
…ま、説教延長になりそうだから、此れは秘密の話なわけで。
なぁーんて、これはまた余計なことを考えながら、
階段を一段、また一段と階段を上って行くけれど。
『あー…これ絶対間に合わないなあ。太宰、先行ってて佳いよ。
あと1分半あるし、今なら多分間に合うから。』
流石に原因が太宰だとはいえ、私のせいで遅刻も申し訳ない。
…否、此の人は遅刻常習犯だけどさ。
彼は少し首を傾げ、考えるそぶりを見せた後、
ゆるりと微笑んで私を見た。
「そうかい?じゃあ、遠慮なく。」
嗚呼、佳かった。先に行って呉れる。
そう思ったのも束の間、気がついた頃にはふわりと宙に浮いていた。
『えっ…ちょ、太宰、っ』
戸惑いの隠せない声と、勝ち誇ったような笑みを浮かべた太宰。
状況を上手く飲み込めない儘、彼は私を姫抱きにして階段を駆け上がる。
…嗚呼、私を置いて行かないで呉れたんだなあ。
なんて、漸く全てを理解した時には、
もう其処には、武装探偵社と書かれた木札の掛けられた扉が目の前にあった。
「ふふ、ちゃんと間に合ったじゃあないか。」
『あ、ありがとう…!』
「どう致しまして。…さ、遅刻になる前に入ろうか。」
再び二人で出社する朝、定刻三十秒前。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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夜空 - 僕、まだ13歳なんだけど見て大丈夫なのかな…(まあ意味わかるんだけど) (2022年6月7日 8時) (レス) @page22 id: 234ea08343 (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - wwらすくさんそれなです (2018年3月5日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - Lieaさん» ついに映画きましたね!ほんともう双黒の尊さにハゲそうになりましたよ… (2018年3月5日 0時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - とうとう映画公開されましたねぇ!やっぱり文ストは最強ですわ。 (2018年3月4日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - みたら士さん» イヤー、オトナ太宰サンムズカシーナー(棒) (構ってもらえるのは嬉しい限りですん( ^ω^ )) (2018年2月23日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすく | 作成日時:2017年11月5日 11時