75#探索 ページ32
〈太宰side〉
商店街に中華街、公園、そして今は近くの港。
その他にもAが行きそうなところをひたすら探し回った。
流石にそんな遠くへ行く事はない筈だ。
彼女は体調不良と云ったけれど、其れは大方、私に会わない為の口実だと思う。
だけど、矢っ張り何かをしてしまった覚えはない。
…否。
乱歩さんは、確かにこう云った。
“任務の事で“と。
私が今日遣った仕事は、書類整理と、とあるお嬢様の護衛。
真逆”書類整理遣ってたから太宰なんて嫌い!“なんてなるわけないし、
もしそうなんだったら私は今以上に怠けた人生まっしぐらだろう。
そうなれば、選択肢なんてただ一つ。
…確か彼女は大企業の社長令嬢で、依頼内容を聞いた時、非常に驚いたのは覚えている。
でも、彼女と何かは話した筈なのに、その記憶が一切残っていない。
まるで其処の記憶だけごっそり抜き取られてしまったように。
この時、初めて気が付いた。
任務中もずっと上の空だった事。
話していても、意識は何処か別の場所に向いていた事。
…ずっとずっと、Aの事しか想っていない事。
「私の想いは…届いていないのかい?」
水面に言葉を投げ捨てて、切ない気持ちを星空に散らす。
見上げた空は藍色で、無数に輝く星屑と、ぽっかり浮かんだ赤三日月。
誤解は早急に解かなきゃいけない。
そうでもしないと、私と君の関係が、この脆くも儚い関係が。
屹度_________壊れてしまう。
まぁ、中也のところに行っていないのは先刻聞き取り済みだ。
その心配だけはなくなってよかったよ。
「ねぇ蛞蝓。A其方に行ってる?」
「あ?来てねェよ。」
「あっそ。」
って、其れだけ聞いて通話釦を秒速で切った。
幾ら彼の子の為だとしても、中也の声なんて聞きたくないよ。
唯もう一つ最悪なのは、通話履歴に彼の名が残った事だ。
…”ナメクジ“と。
「却説と。流石にそろそろ帰ってる頃かな。」
時計を確認して、思っていたより長時間外にいた事を知る。
いなかったらピッキングでもして部屋に入って待っていればいい。
ひらりと海風に砂色の外套をはためかせ、彼女の家へと足を向けた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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夜空 - 僕、まだ13歳なんだけど見て大丈夫なのかな…(まあ意味わかるんだけど) (2022年6月7日 8時) (レス) @page22 id: 234ea08343 (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - wwらすくさんそれなです (2018年3月5日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - Lieaさん» ついに映画きましたね!ほんともう双黒の尊さにハゲそうになりましたよ… (2018年3月5日 0時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - とうとう映画公開されましたねぇ!やっぱり文ストは最強ですわ。 (2018年3月4日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - みたら士さん» イヤー、オトナ太宰サンムズカシーナー(棒) (構ってもらえるのは嬉しい限りですん( ^ω^ )) (2018年2月23日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすく | 作成日時:2017年11月5日 11時