【文スト】ふぅん、私に逆らうんだ？【太宰治】

66#昨夜と痛み ページ22

※注意※

引き続き”多少の“pinkでございますっっっ(((

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『…鳥渡、待っ、てよ』


先程首元に走った電流のような痛み。

其れは屹度、キスマーク。

野獣のようで、其れでも矢っ張り綺麗な瞳に吸い込まれてしまいそうで。


「厭だね。待てない。」


抵抗しようにも、彼は私の上に馬乗りになっていて動けないし、

両手は、太宰の左手によって押さえ込まれている。

両手でも男性の力には勝てないことを知る。

そして太宰は一つ一つ手際良く釦を外していく。


『ぁ、や、やだ…っ』


全ての釦が外され、彼はそっと耳元で囁いた。


「ねぇA。優しくするから、ね…？」


余裕のある手つきとは裏腹に、その瞳に宿っているのは“焦り”。

耳元で囁かれた事により、多少とはいえ反応してしまう自分がいる。

…嗚呼、悔しいなぁ。

此の人には、本当に勝てないよ。


『ぁっ…、』


滑らかに、するりと腰に手が回されることで、思わず甘い声が漏れてしまう。

そして、恍惚とした表情で太宰は云った。


「ふふ、夜はこれから、って云ったでしょ。」



＊ ＊ ＊


そして残酷にもやって来る翌日。


『ねぇ太宰…恨むよ本当……』


結局あの後、強引に布団に引き込まれ、狭い布団に二人で寝る羽目になった。

…否、普通に寝たよ。十分な睡眠がとれたかは別にして。

問題はそうじゃなくて。


「え、何、如何したんだい？」


『…腰痛いんだけど。』


「えー。」


優しくしたつもりなんだけどなぁ、と呟く太宰。

否、何処がだ。

流石に今日まで休むわけにもいかないし、仕事行くけどさ。

人がバテてる時に、笑顔で２ラウンド目にいく莫迦がいるか。


「仕方ないなぁ。お姫様抱っこで職場まで連れて行ってあげるよ。」


『勘弁してください。』


皆から白い目で見られるわ。


「そんな事より、着替えたらどうだい？あっ、其れとも朝から…」


『んな訳ないでしょ莫迦ーッ！！』


気付いてなかった事を指摘され、真っ赤になる私と、

太宰の頬に綺麗に紅葉が出来たのは云うまでもあるまい。

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