63#サプライズ ページ19
そして大分気を張ってたせいか、かなり疲労困憊での帰宅となった。
隣を見れば、相変わらず整った顔の太宰。
夕日に染められた横顔は、どこか切なくて。
「あ、A。帰る前に、あと一ヶ所だけ寄っても善いかい?」
『?いいよ。』
夕焼け色に染まる背中を追いかけて、辿り着いた場所は。
『わぁ…綺麗…!』
橙色に輝く海。
何時もの透き通った青色とは、また違った趣がある。
「A、手出して。」
恐る恐る左手を出すと、大きな手でふわりと包み込まれる。
手首に冷んやりとした感触がし、吃驚してそちらを見ると。
『!…之…』
「前に私が入水した時、壊れちゃったでしょ?それ以来、付けてなかったからさ。」
綺麗な
…気付いて、たんだ。
私は今屹度、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていることだろう。
更には前に付けていたやつよりも、
よっぽど私の好みのデザインだったものだから、本当に吃驚した。
『えへへ…ありがと。嬉しい。』
自然と、言葉が零れた。
私がここまでストレートに言葉を伝える事も珍しいもので。
お兄ちゃんにも小さい頃からずっと云われてたっけ。
“素直になれば良いのによ”って。
其れは、中也さんの時もそうだった。
思いを伝えるのが恥ずかしくて何も言えなくて。
嫌われてしまうのが、余計に距離が遠のいてしまうのが怖くって。
「ふふっ、どう致しまして。…ね、今日うちに来ないかい?」
黙った儘頷いた。
こんな高価そうなものを貰っておいて、
今日こんな場所に連れて来てもらって、
断るなんて失礼すぎると思ったから。
ただ、鳥渡だけ思ったんだよね。
『部屋…掃除してます?』
私は、彼の家には空の酒瓶や蟹缶が放置されていることを知っている。
前に強引に連れて来られた時、見えちゃったんだよね。
「……。」
ほら、目逸らした。
『…はぁ。一緒に、片付けしようか。』
「そうだね。夜はまだこれから…だし、ねぇ。」
何の関係があるんだ、なんて気にも留めていなかった私を、
この後非常に恨みたい衝動に駆られるなんて。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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夜空 - 僕、まだ13歳なんだけど見て大丈夫なのかな…(まあ意味わかるんだけど) (2022年6月7日 8時) (レス) @page22 id: 234ea08343 (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - wwらすくさんそれなです (2018年3月5日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - Lieaさん» ついに映画きましたね!ほんともう双黒の尊さにハゲそうになりましたよ… (2018年3月5日 0時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - とうとう映画公開されましたねぇ!やっぱり文ストは最強ですわ。 (2018年3月4日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - みたら士さん» イヤー、オトナ太宰サンムズカシーナー(棒) (構ってもらえるのは嬉しい限りですん( ^ω^ )) (2018年2月23日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすく | 作成日時:2017年11月5日 11時