60#乾杯と約束 ページ16
席に戻ってきた時、丁度机上に置かれた蟹クリームパスタ。
…が、二つ。
そして究極に目を輝かせる太宰が、一つ。…否間違えた、一人。
更に、緩みに緩んだ
「あ、丁度今運ばれて来たところさ。いやぁ、Aは良いものを選ぶねぇ」
ん?あっ、そうか。この人って蟹が好物なんだっけ。
仕事中にも偶にカニカマを食べる程には。
私が席に着くと同時に、テーブルに置かれたグラスを小さく掲げた。
『「乾杯。」』
見た目は透明。勿論中身は水だから、
そんな乾杯なんて大層な事をする必要があるのかとも思うけれど。
思わず頬が緩み、自然と笑みが零れてしまう。
誰かと乾杯したのなんて、一体何時振りなんだろう。
____________中也さんと、ワイングラスを傾け鳴らしたあの夜を思い出す。
いやいや。もう忘れるって、決めたの。
決めたんだから。
今、此処にいるのは。私を想ってくれるのは。
紛れも無く、目の前の太宰なんだから。
「A。…早く食べないと、パスタが冷めてしまうよ。」
『う、うん。ごめん鳥渡考え事してて!』
急に名前を呼ばれた事で、勢いよく現実世界に引き戻される。
“何かあったら云って呉れ給え”。その言葉に頷いたものの。
言える訳なんて、ないのにね。
…そんな事すら、彼なら知っていそうだけど。
「ねぇ。私からも、Aとさせてくれるかい?」
________________“絶対”の、約束。
『え?い、良いけど…』
恐る恐る、答えた。
然し彼の恍惚とした表情は、何時ものような黒には塗れていない。
これなら大丈夫。私の脳がそう云っている。
「約束は、守ってね?」
そう云って差し出された、細長くのびる綺麗な小指。
『あはは、どうしたの?当たり前でしょー。』
其れに、自分の小指を絡ませ笑った。
此の時深く考えなかった事を、深く後悔することになるなんて。
思っても、いなかったんだ。
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夜空 - 僕、まだ13歳なんだけど見て大丈夫なのかな…(まあ意味わかるんだけど) (2022年6月7日 8時) (レス) @page22 id: 234ea08343 (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - wwらすくさんそれなです (2018年3月5日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - Lieaさん» ついに映画きましたね!ほんともう双黒の尊さにハゲそうになりましたよ… (2018年3月5日 0時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
Liea(プロフ) - とうとう映画公開されましたねぇ!やっぱり文ストは最強ですわ。 (2018年3月4日 16時) (レス) id: 99a35ea8a6 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - みたら士さん» イヤー、オトナ太宰サンムズカシーナー(棒) (構ってもらえるのは嬉しい限りですん( ^ω^ )) (2018年2月23日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすく | 作成日時:2017年11月5日 11時