11*失態と赤面。 ページ11
少しの間カラカラと笑っていたものの、
先刻晴れた空気が嘘のように曇り始めた事に気付き、閉口。
思えば、先程から中也さんは
私は、晴れた空気に安心しすぎていたのだ。
だから、彼の此の何とも云えない表情に気付いていなかった。
嗚呼…何だろう、此の雰囲気。其の表情。
非常に重い空気は、心なしか重力操作がかけられているようにも感じられる。
『ぁ、あの…っ!』
漸との思いで絞り出した何とも弱々しくて情けない声。
実は、云いたいことを考えずの見切り発車。
中也さんは不思議そうに、訝しげな表情を浮かべたまま首を小さく傾げた。
急いで言葉を紡がなければ。
其れだけが即座に私の脳を支配した。
『き、今日は良い天気ですね…?』
阿呆だ。
我ながら今のは大きな
如何してもっと気の利いた一言を発せなかったのか。
考えたってもう遅い。
ほら_________中也さんが、怖い顔してる。
「…あ“?」
そしてもう一度脳内に流れ込んだ人生終了のお知らせは、
終幕の合図と共に、切ない音楽を奏でる。
否、唯天気の話をしただけじゃないか。そんなに怖い顔をしないでおくれ。
なんて心の声を口に出せるわけでもなく、
冷たい其の視線から目を離せずに見つめ合うこと約五秒。
「付き合ってねェなら、俺にしねえか?」
『………へ。』
思わず飛び出た間抜けな声を恥じるよりも、
彼の言葉に意識の全てを持っていかれてしまったらしく、
先程突然彼から発された言葉が脳内でぐるぐると回る。回る。
徐々に頬や耳に熱が集まって来るのが厭なくらいに佳く判った。
『っ________…!!』
逸らした目線。途切れた音。話し声。
中也さんは今、どんな顔でいるのだろうか。
何を思っているのだろうか。
横目で軽く中也さんを見やる。
先刻のあの言葉だけで、もう脳内は彼の事でいっぱいで。
其れなのに。
「…嗚呼、悪ィ。何でもねェんだ、忘れてくれ。」
如何して、如何して、そんなに悲しそうに笑うの。
忘れられる訳…ないじゃないですか。
*ーーーーーーーーーーーーーーーーーー*
大変お待たせ致しました…!
受験が無事終了致しましたので、
今までよりも次回更新までの時間が
圧倒的に短縮されると思います!
これからも「恋と帽子と包帯と。」を
よろしくお願い致します…!!m(_ _)m
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らすく(プロフ) - みたら士さん» 嗚呼…何にも呟いてなかったからかもしれないです( ˙-˙ )見つけた(と思う)のでフォロー致しました(・∀・)b (2018年2月25日 10時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - らすくさん» たしかにつらいっすねぇ……そーいや、ツイッターでらすくさんのこと検索しても出てきませんっした……あの、私のこと調べてくれます…?『マスクにinする人』って… (2018年2月25日 10時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - みたら士さん» エリスちゃんが可愛すぎてつらい( ^ω^ )森さんと一緒に写真撮りたいです(真顔) (2018年2月25日 10時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - たしかに……エリスちゃんに呼び捨てにされるのはいいですねぇ (2018年2月25日 10時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - たしかに……エリスちゃんに呼び捨てにされるのはいいですねぇ (2018年2月25日 10時) (レス) id: d493129e91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らすく | 作成日時:2018年1月4日 0時