【文スト】私が絶対に決まってるだろう？【太宰治】

昨日 ページ6

ｰ昨日の午後ｰ

誰が買い出しにいくかで話になっていたらしい。

只の買い出しでは無い。

少し遠方に大型店が完成したから、其処に誰かが行かなければいけないとのことで。

「矢ッ張り二人以上は必要ですよね。でも僕たちには任務があるし…」

「あぁそうだな。そうなると、非番の奴に頼むしかない。」

そして私たちに連絡が来た。私と、敦くんだ。


『敦くんって、運転は…』


「すいません…出来ない、です。」


少し困ったような顔で笑った敦くん。可愛い。

でも、可愛いだけで運転が出来るわけではない。残念ながら。

此のままだと、徒歩で遠方迄行って、大量の荷物を抱えて徒歩で帰ってくることになる。

其処で敦くんと話し合って、本来は任務がある太宰さんに替わって貰おうという結論に至った。


『太宰さん、替わってください！』


「確かに此の任務ならAにも行けるねぇ…でも。」


そう、私でも行ける任務。

護衛のような戦闘系の異能が必要な任務ではない。

…体術なら、中也さんから習ってきたけれど、其れはまだ皆には秘密にしておきたいところ。

幾ら短期間でもマフィア出身だという経歴が無くなる訳ではない。

知られてはいけない。今私の居場所は、武装探偵社にしか無いのだから。

だけど、体術も遣えるということは隠している上に、戦闘系の異能が必要ない任務。

要するに…比較的楽な依頼であるという事。

私の上司はかなり面倒臭がりだから、依頼の方が買い出しより楽だと即座に判断して、動くことはないと思われる。


『何でもしますから！』


炎天下の中重い荷物を抱えてたったの二人で徒歩で、なんていうことは避けたい。

面倒を押し付けられる事を前提にした捨て身の覚悟。

報告書代わりに書かされたら厭だな…



「へぇ、何でも？…なら替わろう。」


太宰さんの目の色が変わった。

悪寒→←初恋の

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