結末 ページ43
〈太宰side〉
こんな形の再会なんて、誰も望んじゃいないだろう?
Aは、時々小さく咳き込む。その度に赤が散る。
意識は未だ残っているらしい。だが、長くは持たないだろう。
此の男、“女の証言と違う”って云っていたね。
詰まり彼女は、私についても、武装探偵社についても、真実は何も奴等に語らなかった事になる。
語った事が幾ら虚偽だったとはいえ、こんなボロボロになってしまう迄。
「おいアンタ、此処でどっちか選べよ。片方だけ逃がしてやる。まぁ、二人で此処から出られるかは別にしてだがな!!」
本来は何方も殺す心算だったが、気が変わったと云う。
…本当は私は、「何方か」なんて云われれば、選べてしまうんだ。
だが、敢えて何方も選ばないよ。
『だ、ざい、乱歩、さんをえら、んで…?』
力を失った虚ろな目で私を見つめる恋人。
ああ、唆るねぇ。そんな事云っちゃ屹度怒られるけど。
「太宰、此処はAを選べ!選ばれない方は、その扉に押し込まれてガスで死ぬ。…更に彼女を苦しませる気か?」
珍しく乱歩さんの目には、“焦り”が宿っている。
成る程ね、之は毒ガスだったのか。
…此処は乱歩さんが正しい。
「じゃあ、其方の彼女を返して頂けるかな?」
投げ捨てるようにして、彼女の身体を私に預けた。
全く。乙女を、私の恋人を、そんな無造作に扱わないで呉れ給えよ。
刹那、私の方へ傾いていた体を直ぐに後ろへ引き戻し、彼女は唱えた。
『僕はただ 眠りのなかに より深い眠りを忘却を追う…』
唱え終えた瞬間、私とA以外の皆がガクンと膝をつき離れた。
乱歩さんは拘束を解かれた。然し、彼も膝を折る。
「っ!!」
駆けつけるなり直ぐさま乱歩さんに触れ、其の儘彼女の方を見る。
『あはははははは!!』
狂気に満ちた表情で嗤う彼女は、己の首を締めていた。
周りの男たちは、
「何だ之は…当に地獄絵図だ。」
恐らく中也と同じ型だろう。
奴等がパッタリと動かなくなったところで、彼女の異能を解く。
其れも…口付けで。
二人の唇が触れ合った瞬間、荒い呼吸で咳込み乍らも、恨めしそうな目でAは私を見る。
『ちょっ、他にも、ほうほう、が…あった、でしょ』
「ごめんね。あまにりも可愛かったものだから、つい。」
他所でやって呉れる?なんて乱歩さんには白い目で見られたけど。
此れで、一件落着かな。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
382人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きみしにたもー - 確定www (2017年11月12日 20時) (レス) id: 8bf6e3ba03 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - きみしにたもーさん» 書いてる本人に変態疑惑…いや、疑惑どころか確定してしまう…っ (2017年11月9日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - ぐるぐる読みまくらせていただいていますやっぱ太宰さんいいですねえ(変態疑惑 (2017年11月9日 21時) (レス) id: 8bf6e3ba03 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - よひらさん» ありがとうございます!!ぜひぜひ拝見させていただきます! (2017年11月5日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
よひら - あ、失礼なのですが、良ければ私の書いている小説「双黒の愛娘」見てみて下されれば嬉しいです! (2017年11月5日 18時) (レス) id: d40f591537 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らすく | 作成日時:2017年9月27日 0時