【文スト】私が絶対に決まってるだろう？【太宰治】

銃声 ページ40

〈太宰side〉

只の金属板とも云える足場を歩く音。

コツコツと、規則正しく聞こえる。

まぁ、案の定私の足音なのだけど。

先刻、Aとの思い出を振り返るのも程々に、再び敵の捜索を始めた。

…でも矢張り、何かが可笑しい。

音はしないし、何の手掛かりも無い。

その時だった。

靴に何かが当たる感触がする。其れと同時に聞こえた稍高い金属音。

あ、何か蹴った。

しゃがんで其れを拾い上げる。


「銃弾、ねぇ。」


成る程。

何かが此処にいる事は、確かだ。

私達が入ってくる前に撃たれたものか？

其れにしては。発砲時の摩擦か、少し熱を持っている。


「Aは…無事だと善いのだけど。」


矢っ張り、国木田君には伝えておくべきだったかもしれない。

一人何もない空間に苦笑する。


「っ！？」


その時聞こえた破裂音の様なもの。

否、銃声。

聞き慣れた乾いた音。


「あっちは…」


彼女がいる方向じゃないだろうか。

よく判らないが、敵襲にあったと考えるのが妥当。

再び訪れた静寂。

音一つしない。

真逆、被弾していないと善いのだけど。

気付いた頃に私は既に駆け出していた。

Aとは違い、此の場所には足を踏み入れた事がない。

構造なんて毛ほども知らないけれど。

彼女は、私の大事な恋人なんだ。

これ以上、大切な人は失いたくないんだよね。

織田作が云った。

“人を救う側になれ”って。

今の私には、守るべき物がある。

守るべき人がいる。

そんな三つの理由で、充分だと思わないかい？


「ねぇ、A。」


私の声は、響くどころか、金属に吸い込まれて儚くも消えていった。

元マフィアの→←出逢い

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す