第五話 ページ6
寝不足のままいつもの場所に向かうと、何故か新入生全員が集まっていた。すぐにミナトが食事当番の日だと思って、全員がどこか浮かない表情をしているのに気づく。
「全員、羅生門が昨日言われたことを知ったのさ」
隣でボソッと山田が教えてくれたけれど、なんで彼は昨日の私とコウジの会話を知っているのか。腹が立って脛を蹴った。
「あっ、Aさん！」
私に気づいたシンが声をかけると、全員こっちを向く。そしてすぐにタイガだけ視線を逸らした。
「A、どうした。寝不足か？」
「あぁー！ ダメですよAちゃん！ お肌の手入れはちゃんとしてください！」
「なんで」
ユキとレオはすぐにそういうところに気づくから苦手だ。
「羅生門、冷めちゃうから早く席につきなさい」
ミナトは相変わらずマイペース……というか、私の状態に気づいていながらあえて口には出さないのだろう。私は渋々、いつものカズオの傍に座った。
「Aちゃんおはよ〜ん」
「はぁ？」
「ひぃ〜ん！ Aちゃんが冷たい〜！」
「うるせぇよカズオ。いつものことだろ」
いつものことだから私は別のテーブルに座るタイガを見ない。絡むと一番面倒なのは他でもない真後ろのタイガだ。ル・セリアナ女学院の制服を着た私のことをいっつも避けている。
「あれ？ タイガくん、何を見てるの？」
「？！ バッ、何も見てねぇよ！」
「シンちゅわん、ソレ見てる時のタイガきゅんには何も聞かない方がいいよん。怒るから」
振り向き様に私の頭をわざとらしく撫でるカズオはシンに忠告するけれど
「これって……カヅキさんとAさん？！」
純粋な彼はすぐに言葉に出してしまった。
「ちげぇよ！」
無言で振り返り、シンを見る。タイガは私が自分を見ているかのような慌てっぷりで携帯をしまい、フードを被ってふて寝した。
シンはさっき見ていた映像がなんだったのかと不思議そうに私を見ていて、目が合ったままお互いに何も言わない。
「も〜。タイガきゅんも場所を選んでよねん」
「タイガくん、またあの動画見てたんですかぁ？」
「それほど好きなんだろう」
「ふんっ。あんな動画たいしたことねぇだろ」
レオとユキ、そしてユウの傷の抉り方はそれぞれにえぐい。私があのジャンプを飛んだシンの問いかけるような視線に耐え切れなくなった頃
「ほ〜ら、羅生門。冷めないうちに食べなさい」
めっ、と叱るようなミナトの言葉に救われた。
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はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月18日 10時) (
レス) id: 0ab2a8dc70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鬼童輪廻 | 作成日時：2018年5月17日 20時
