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アンケートに載せてた番外編2 ページ49

中也side


休日。
俺にとって久しぶりの休み。
最近は忙しかったからと首領から休みをもらった。

珈琲を飲みながらもう内容を忘れた本を読む。
集中していると突然クラシックの様なジャズの様な何方とも言い難い音楽が流れ出した。

ふと音のする方を見ればAが一人に飽きたのか大きめのステレオの前にちょこんと座っていた。
ボーッと壁を見つめては手元に視線を落とす。
その姿は何度も見た事がある。
俺に話し掛けたり甘えたりするのを我慢してる時にする仕草だからだ。

元からあのステレオを気に入っていて良く知りもしない曲を流してはボーッと前に座ってる事がある。
唯そうしている時は尻尾を揺らしてみたり音に合わせて首をひねったりするが、俺に構ってほしい時は別だ。
態と音を流して自分の方に俺の目が向く様にする。
でも俺の時間を無駄に使わせたく無いとかいう理由で自分から話し掛けたりはしてこない。

それに今日は久しぶりに俺が休みだから気にしてるんだろう。
普段、仕事が忙しくて構ってやれない日もある。
此処最近は全く休みが無く、ゆっくりする事もなかったせいで俺も自分のやりたい事が出来なかった。
その邪魔をしたくないと思ってるんだろう。

中也「A、此方来るか?」

小さく首を横に振る。
ほら、自分からは来ない。
本を置いてAを後ろから抱きしめる。

中也「我慢しないで構ってって言えばいいだろ」

貴方「……折角休みなのに我儘言ったら勿体無いでしょ」

中也「折角休みだから我儘聞いてやりてぇんだけどな」

そう言うと黙って俺の膝に頭を乗せて寝転がった。
此れがAの甘えだ。
頭を撫でられてみたり、俺の手を弄ってみたり、目を瞑ったり。
特にこれといった事もせずに時間だけが進んでいく。
でもこの時にちゃんとAを見ていないと拗ねる。
此処で本を読んだり、テレビを見たりすると拗ねて泣かれるのだ。
だから俺はじっと座ってるだけで、したい様にさせてやる。

貴方「……中也の匂い好き」

中也「俺の?」

貴方「何時もの香水とか煙草とかの混ざってる匂いも好き。でも今日みたいに何もしてない匂いも好き」

中也「……そんなに変わるか?」

貴方「うん。何時もはね、もっと大人っぽい匂いがするの。でも今日は違う。優しくて安心する匂い」

よくわかんねぇけどAが嬉しそうだから別にいいか。

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紅野(プロフ) - ソリバさん» いつもありがとうございます…!続編になりそうな気もしますが、もう少し考えてみますね。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ソリバ(プロフ) - いつも楽しみにしてます!できれば続編お願いします!! (2017年11月7日 14時) (レス) id: c80ce2fe4d (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ニャン将さん» ありがとうございます!もう少し検討させてもらいますね…! (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 埃さん» いい作品だなんてありがとうございます…!何ででしょう… (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 続編希望します!! (2017年11月6日 18時) (レス) id: a5f5e3b412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月2日 16時

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