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夢じゃない ページ25

貴方「中也、有難う。中也が居てくれるからもう怖くないよ」

中也「辛いことあったらちゃんと言えよ?」

貴方「うん。…泣いてるの?」

中也「泣いてねぇよ」

顔を上げて見た彼の頬には涙が伝っていた。
泣いてる彼は綺麗だ。
嗚呼、彼が私の為に泣いてくれてる。
なんて贅沢なんだろう。好きな人が自分の為を思って涙を流す。こんな贅沢していいのかな。
そう思うと堪えていたのに我慢できなくなって私も泣いた。

貴方「泣いてるじゃん」

中也「お前もだろ」

貴方「嬉しくて。中也が、私の為に泣いてると思うと」

中也「今まで以上に一人にしたくなくなった。側に居ろよ。心配だから」

貴方「いいの?」

中也「いいに決まってんだろ。…A、好きだ」

泣きながら笑う彼。
綺麗。

貴方「私も好き…!」

中也「俺が、お前の辛い過去も傷もこの先の未来も全部愛してやる」

貴方「夢じゃないよね」

彼はふっと笑うと私に接吻をした。
前した触れるだけのじゃない。深い深い接吻。
涙の味、自分のとは思えない程甘い声、私の頭を押さえる彼の手、舌の温度や感覚。夢みたいで本当の事。
少し離れた彼との間にはつぅと糸が繋がっていてやがて音もなく切れた。
恥ずかしくて下を向くと彼の笑い声が聞こえた。

中也「これでも夢だと思うか?」

貴方「夢じゃ、なかった」

中也「そんな恥ずかしがんなよ。初めてじゃねぇだろ」

貴方「この前はそんなっ、舌、入れたりとか、してこなかったじゃん…!」

真っ赤になってるであろう私を見て彼はニヤッと笑った。
そして耳元で囁く様に、何時もの何倍も色っぽい声で言った。

中也「今のが大人の接吻ってやつだよ」

どうしよう。色っぽい彼に慣れてなさ過ぎて何時も以上にドキドキしてしまう。
と言うか、こんな事出来たんだ…。
そりゃ、私より大人だもん出来るよね…。
恥ずかしい…。彼の目を見れない…。

中也「まだ子供だな。まぁ、十八だもんな。真逆四つ下と付き合うとは思ってもなかった」

貴方「駄目、かな」

中也「駄目なわけないだろ」

貴方「私で良かったの?」

中也「ばーか。お前じゃなきゃ嫌なんだよ」

貴方「えへへ、嬉し」

彼に飛びついてぎゅぅっと首に手を回す。
とんとんと背中を優しく叩かれる。

中也「ほら、そろそろ寝るぞ」

貴方「え?」

中也「俺いないと寝れねぇだろ?」

貴方「……うん」

大人しく認めると彼は嬉しそうに笑った。
その後、私の部屋の少し狭いベッドで一緒に寝た。

二度寝→←昔の話(ちょこっとお知らせも)



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紅野(プロフ) - ソリバさん» いつもありがとうございます…!続編になりそうな気もしますが、もう少し考えてみますね。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ソリバ(プロフ) - いつも楽しみにしてます!できれば続編お願いします!! (2017年11月7日 14時) (レス) id: c80ce2fe4d (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ニャン将さん» ありがとうございます!もう少し検討させてもらいますね…! (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 埃さん» いい作品だなんてありがとうございます…!何ででしょう… (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 続編希望します!! (2017年11月6日 18時) (レス) id: a5f5e3b412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月2日 16時

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