宣告 ページ18
彼と生活して二週間が経つ頃。
何時も通り彼の仕事場について行くと今日は何故か私まで森さんにお呼ばれした。
森「中也くん、そろそろAちゃんを一人で生活させても支障ないと思うよ」
中也「ですが首領、此奴はまだそんな…」
森「君の気持ちもわからなくないけど、彼女も君から離れた方がいいだろう」
貴方「……中也の側がいい」
森「彼は忙しい。見ていてわかるだろう?何時までも野良狐を飼育してる暇はないんだ」
しっかりと私の目を見て言う森さん。
…忙しいのはわかってる。
貴方「……邪魔…?」
中也「いや…」
森「そこまでは言わないけど、君が彼の側に居るのは最適とは言えないね」
中也の声を遮って言われたのが側にいる資格がないという意の言葉。
涙が溢れてきて視界が歪む。
どうしたらいいの…。彼のいない世界なんて耐えられない。
でも彼は前に森さんの言う事は絶対なんだと言っていた。
彼の迷惑になるなら我儘は言わない。
そう決めても涙は止まることを知らず溢れ続ける。
ぎゅぅっと胸が苦しくなって部屋を飛び出した。
後ろから中也の呼ぶ声が聞こえる。
でもそれも無視して走った。
_________________________
中也side
Aを止めようと呼んでもそれを無視して行ってしまった。
森「よっぽど懐かれているようだね。まるで君がこの世界の全てだと思い込んでるようだ」
中也「首領、俺は彼奴を一人にするなんて絶対に嫌です」
森「珍しいね。君が自分の意思をはっきり言うなんて。まぁ、好きにすればいい。でも君には次のやるべき事がある」
中也「次?」
森「うちと取引をしている所のご令嬢が、君のことを気に入っていてね。彼女の親が君と二人で生活をさせてみてほしいと言っているんだ。うちには利益しかない取引だから了承しておいたよ」
中也「…え、あ、はい」
令嬢と生活をしろって?
じゃあAはどうすんだよ。
知らない人が来ようもんならきっと遠慮する。
自分の事は後でいいと我慢するだろう。
森「もし君に気があれば結婚も許してくれるそうだが、まぁそれは君次第だから追々だね」
中也「あ、あの、それは何時から」
森「明日」
中也「明日…!?分かりました…」
もう決定された事。
それに首領の命令だ。
今後どうしたいかAに選ばせよう。
俺の想いも伝えるだけ伝えるのも良いかもしれない。
いや、重荷になるだろうか…。
まずAを探して慰めねぇと。
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紅野(プロフ) - ソリバさん» いつもありがとうございます…!続編になりそうな気もしますが、もう少し考えてみますね。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ソリバ(プロフ) - いつも楽しみにしてます!できれば続編お願いします!! (2017年11月7日 14時) (レス) id: c80ce2fe4d (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ニャン将さん» ありがとうございます!もう少し検討させてもらいますね…! (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 埃さん» いい作品だなんてありがとうございます…!何ででしょう… (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 続編希望します!! (2017年11月6日 18時) (レス) id: a5f5e3b412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月2日 16時