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旭光と独白 ページ15

中也side



目が覚めると隣から規則正しい呼吸が聞こえる。
体ごと向くとAが俺の袖を掴んで寝ていた。
何時もある耳や尻尾は隠されていて無駄に意識してしまう。
別にあると意識しないんじゃない。
あると何処か幼く感じるが、ないと大人っぽい。
というか、十八だなって感じ。
四つ下か…。本来なら一番色気付く年頃っつーか、目のやり場に困る年頃っつーか…。


昨日一日でかなり心を許してはくれたみたいだが、それに伴って此奴を意識してる自分がいる。
単純に言えば、好きだ。
最初は首領に言われたからって理由だった。
でも今は自分の意志で此奴の側にいたい。いてやりたい。
もっと俺だけを見て俺がいないと駄目になればいいと思う反面、世界を知って俺の手が無くても生きていけるようになってほしいとも思う。


中也「……複雑すぎ」

Aの腰に手を回して自分の方に寄せる。
小さく、んぅと声を出してまたすーすーと寝息を立てるA。
可愛い…。この生活が続くなら我慢なんて出来ねぇよ……。
…俺と同じ匂い。俺のに似たチョーカー。これがいいと言った俺の服。
もっと俺の色に染まってしまえばいい。

Aは自分から話かけて来ることはまずない。
何処か一線を引かれてる。
賢いからきっと邪魔しないようにって考えてんだろうな…。
昨日わかったが、頭の良さは太宰並だと思う。
彼奴しか出て来ないのが物凄くなんてレベルじゃない位癪ではあるが、他に周りで比べれるヤツがいねぇのも事実だ。


まだ起きるには早い。
まぁ朝飯作ってればいい頃合になるか。
彼女の髪を指に絡めて短く接吻を落とす。
…今すぐ俺のものにしたい。
……真逆会って一週間足らず、同居を始めて二日、三日でこんな感情を抱くなんて誰が想像しただろう。
ふと我に帰って自分のした事が恥ずかしくなった。
でも昨日から触れても逃げなくなった事や、俺の言葉や行動の一つ一つに反応して、尻尾がゆらゆらと揺れる事、喋ったり笑ったりするようになった事が嬉しくて堪らなかった。


自由に生かしてやろう。
束縛したくない。今までされていた分好きな様にさせてやりたい。
だから、頼むから昨日みたいな煽る様なことしないでくれ。
手の内から逃したくなくなっちまう。



俺、朝から何考えてんだ…。
……飯作ろ。
Aは何が好きだろうとか、何にしたら喜ぶだろうとかAの事でいっぱいになりながらキッチンへ向かった。

甘い朝→←お手伝い



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紅野(プロフ) - ソリバさん» いつもありがとうございます…!続編になりそうな気もしますが、もう少し考えてみますね。 (2017年11月7日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ソリバ(プロフ) - いつも楽しみにしてます!できれば続編お願いします!! (2017年11月7日 14時) (レス) id: c80ce2fe4d (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ニャン将さん» ありがとうございます!もう少し検討させてもらいますね…! (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 埃さん» いい作品だなんてありがとうございます…!何ででしょう… (2017年11月6日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン将(プロフ) - 続編希望します!! (2017年11月6日 18時) (レス) id: a5f5e3b412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月2日 16時

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