六十二言目 ページ17
あの後何事もなく戻って来て、何事もなく仕事を続けた。
ふと中也が何かの用で部屋を出て行くと雰囲気が一気に変わった。
瑞希「あのぉ、上西さん。噂で聞いたんですけど、その…本当なんですか?」
貴方「えっと、何がですか?」
瑞希「男遊び好きだって噂ですよ」
貴方「え、そんな噂あるんですか。嘘ですよ、そんなの」
瑞希「そうなんですか?事務の子達が見たって言ってましたよ。色んな男の人と夜歩いてるの」
内部の人に見られてたのは計算外だったな。
まぁよっぽどの事がない限りもうやらないと思うけど。
貴方「仕事だったんです」
明らかに媚びを売る汚い声を出していた瑞希さんは私の言葉を聞くと急に態度を変えた。
瑞希「ふーん。まぁそれは何でもいいんですけど、他の男に触ったその手で中原幹部に触らないで下さい。私、好きなんです。幹部が。だからやめて下さい。先刻みたいにべたべた触るの」
べたべたってただ近い距離で同じ資料見てただけじゃん。
別に触ってないんだけど。
普段は触ってるけど。
つか何だったら瑞希さんより触ってる。
最近はほぼ同じベッドで寝るから密着し放題だよ。
貴方「瑞希さんが中也を好きなのは勝手だとは思います。でも彼と私の関係にとやかく言う筋合いは無いと思うんですけど」
瑞希「それに、何ですか。その名前呼びとか、幹部の方が歳上なのに、上司なのにタメ口とか。おかしいと思わないんですか?」
貴方「そりゃ私だって此処では改まった方が良いと思ってました。でも彼が普段通りで良いと言うんですから仕方ないじゃないですか」
瑞希「はっきり言うと本当は嫌なんですよ。あなたが補佐になるの。折角私と幹部二人きりの部屋だったのに」
うわ、本当にはっきり言うな。
秘書だからそういう目で見てもらえてるとか思ってるの?
馬鹿じゃないの?
貴方「どう思われようが関係ないです。中也の隣で補佐をする事が私の仕事、ですから」
だから付き合ってるって公言しない。
此処は仕事場。幹部と補佐。
仕事中は恋人同士だなんて関係ない。
いや、関係ないは嘘だけど表には出さない。
それを理由に使うなんて事したくない。
貴方「それと、中也に好かれたいならべたべたするのやめた方が良いですよ。手の内から逃げてやる位が丁度いいんです、あの人には」
瑞希「何言ってるんですか。女の人に触られて嫌な男なんていませんよ」
わかってない。
中也の事も、男で遊ぶって事も。
何方にしろ中也は瑞希に振り向かない。絶対。
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鶴媛(プロフ) - 紅野さん» わぁ!ありがとうございます!!お忙しいのに私の勘違いですみません!更新嬉しかったです、暑い日が続きますがどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。 (2020年8月18日 1時) (レス) id: dda77e3f70 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます。いえいえ!忙しくて更新が止まってしまっただけです!また空いてる時間で更新するのでご安心を…! (2020年8月18日 0時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - え、八十五話で終わりなんですか?かなり気になるところで終わってしまって少し残念に思います (2020年8月17日 4時) (レス) id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 橘明音さん» ありがとうございます。そう思ってもらえて良かったです。ゆっくりですが頑張りますね。 (2020年3月2日 11時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
橘明音(プロフ) - 最後のコメントありがとうございます。 私は受験終わったけど学校なくて本当に暇だったのでそう言って書いてくださること、本当に嬉しいです!更新楽しみにしてます。頑張ってください! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 0fca2029db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2019年2月6日 15時