四十七言目 ページ2
次に目が覚めたのは彼の優しい声が聞こえた時だった。
相当ぐっすり寝ていたんだと思う。
起きた今全くと言っていいほど眠気はない。
準備を済ませて彼の車に乗る。
何時もより緊張する。
あの部屋がどんな所か十分知ってるから。
怖いけどやらなきゃ。
今の仕事が嫌な訳じゃない。けど、許されるなら中也の隣にいたい。
それに幹部補佐という肩書きは私にとってなくてはならないと思う。
私がここにいる理由を持てるように。
ここに私を連れて来た彼らを間違って恨まないように。
中也「……無理すンなよ」
貴方「え？別に無理なんてしてないよ」
中也「怖いンだろ？先刻から人殺す目してる。気張る事でもねェだろ」
貴方「そりゃ気も張るよ。あの部屋は怖いし、先生の事思い出すけど、やっぱり私には必要なの。幹部補佐って役割が。近い内に瑞希さんから秘書の座も取る心算」
信号で車が止まると中也は短くおい、と呼んだ。
彼の方を見ると少しの間触れるだけの接吻をした。
私が意味もわからず呆然としている内に彼はまた車を動かした。
貴方「…………え、何」
中也「落ち着け。そんなギラついた目しなくても俺の隣は手前のモンだろ」
貴方「……？」
中也「瑞希の事なんて考えンな。彼奴は手前の敵にもならねェ。手前以下だッてのは俺が一番わかってる。今はそんな事気にすンな。……何時も通りの手前が一番可愛いンだからよ」
……え？何、急に。もしかして緊張解そうとしてくれてんの？
それとも今の私可愛くないって悪口？
というか何時も可愛いよって言われてんの？
急にそういう事言うの良くないよ……。
無駄に舞い上がるじゃん。
ぐるぐると考える私を見て彼は小さくため息を吐いた。
中也「あのなァ、そンなに必死にならなくッたっていい。今回駄目だったとしても俺は首領に頼み込む心算だ。手前以外の補佐なんざ要らねェ。……勿論、手前を隣に置いてた糞鯖野郎が羨ましいってのもあるが、それ以上に手前の肩書きに何時までも彼奴が関わってンのが癪で堪らねェ。手前は俺のだ。俺だけを見ろ」
……嫉妬。
一番
彼が私を補佐にしたい理由。
それは私の事が好きだからと、太宰に何時までも嫉妬してる自分が嫌だから。
きっと私の腕をわかってるからもあるだろうけど、その二つが大きいかな。
貴方「中也以外の男に興味なんてないよ。わかってるでしょ？好きなのは中也だけ。だから必死になるんだよ」
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鶴媛(プロフ) - 紅野さん» わぁ！ありがとうございます！！お忙しいのに私の勘違いですみません！更新嬉しかったです、暑い日が続きますがどうかお体に気をつけてお過ごし下さい。 (2020年8月18日 1時) (
レス) id: dda77e3f70 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 鶴媛さん» コメントありがとうございます。いえいえ！忙しくて更新が止まってしまっただけです！また空いてる時間で更新するのでご安心を…！ (2020年8月18日 0時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - え、八十五話で終わりなんですか？かなり気になるところで終わってしまって少し残念に思います (2020年8月17日 4時) (レス) id: 5d76437753 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 橘明音さん» ありがとうございます。そう思ってもらえて良かったです。ゆっくりですが頑張りますね。 (2020年3月2日 11時) (レス) id: b4d088780f (このIDを非表示/違反報告)
橘明音(プロフ) - 最後のコメントありがとうございます。 私は受験終わったけど学校なくて本当に暇だったのでそう言って書いてくださること、本当に嬉しいです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: 0fca2029db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2019年2月6日 15時
