苦手な事、得意な事 ページ7
オレンジ色に染まる室内。
太陽の光は苦手だ。
よく人間の作る映画なんかでは吸血鬼は太陽を見たら死ぬとか、十字架を見たら死ぬとかある。
そんなの嘘だ。
そんな物で死ねるなら苦労しない。
はぁ、と溜め息を吐くと玄関からガチャっと鍵の開く音がした。
太宰さんだ。今日は帰ってくるの早い。
布団から出て玄関を覗くと太宰さんと目が合った。
貴方「お帰りなさい」
太宰「…ただいま」
きっと言われ慣れてないし、言い慣れてないんだろう。
僕はそういう所は両親が良い所の出だったせいもあって、他の人より躾けられた。
挨拶とか作法とか礼儀とか。
でも規則正しいことは苦手でどうしても逸れた事をしたくなっちゃう。
それもあって捨てられたのかもしれない。
太宰「起こしちゃったかい？」
貴方「いえ、丁度目が覚めたとこです」
太宰「なら良かった」
貴方「今日はお早いんですね」
太宰「まぁね。…その敬語やめないかい？」
貴方「置いてもらってる分際で出来る事じゃないです」
太宰「私が良いって言ってるんだから」
貴方「うぅ…。ちょっとずつで、いいですか…」
太宰「良いよ」
柔らかく笑う太宰さん。
そんな彼の顔を見てふと思った。
貴方「まだ、貧血気味ですか…？」
太宰「少しね。気にする程じゃあない」
貴方「…血は飲むの控えます」
彼が居なくなったら僕は行き場を本当に失ってしまう。
太宰「でも飲まないと死んでしまうんだろう？」
貴方「元から血はあんまり得意じゃないんです。でも……太宰さんのは凄く美味しかった。から好き」
あの甘すぎるくらいの血が癖になりそうな程美味しかった。
けど、前も言ったように首から飲むの得意じゃないし、血は周りを汚しやすいからなぁ…。
太宰「私は構わないんだよ？」
貴方「大丈夫です。それに、血じゃなくてもいいんです」
太宰「血じゃなくても？」
貴方「はい。勿論血が一番効果は強いんですけど、実際人間の体液なら何だって良いんです」
僕も人間の体液は殆どの種類を飲まされてきた。
いや、全部かな。
人それぞれ味が違うけど、美味しいと思ったことはそれほどない。
太宰「吸血鬼なのに血じゃなくても良いんだ…。体液ねぇ……。じゃあ…」
急に伸びてきた彼の手が僕の唇をなぞる。
太宰「唾液でも良いってこと？接吻なら得意なのだけど」
貴方「良い、ですけど…。接吻はあんまりされた事なくて…」
視線を逸らす僕をくすっと笑って頬を撫でる彼の指。
え、今する心算ですか…？
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀｀) (2018年9月27日 23時) (
レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…！頑張らせてもらいます…！ (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました！ありがとうございます(*´ω｀*)これからも更新頑張って下さい(*´∀｀) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…！そう言って貰えるととても嬉しいです！私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2017年9月24日 22時
