アンケートに載せていた番外編4 ページ49
太宰side
何時まで経っても戻って来る気配がない。
おかしい。
真逆、帰った?
黙る私を見て二人は少しムッとした。
私は悪くない。Aを端に追いやったのはこの子達だ。
女学生「どうかしたの?」
太宰「悪いけど帰らせてもらうね」
女学生「えーなんで?あの女の子?」
女学生「あんまり話さない子だよね、あの子」
女学生「ねー。何か用があったのかもしんないじゃん」
太宰「彼女がどんな人であろうと君達には関係ないだろう!言っておくけれど、彼女は君達より中身も外見も良い。それに君達よりも少し年上だ。じゃあ私行くから」
引き止めようとする声を無視して急いで家に戻る。
家の扉を開けると布団の端を握って目を瞑るAがいた。
彼女の手を握って何度もごめんね、と繰り返すと彼女はしっかりと目を開けた。
貴方「どうして謝るの?」
太宰「嫌だったろう?だから帰って来たんじゃないのかい?」
貴方「あの場に居るべきじゃないと思っただけだよ」
そう言う彼女の表情は明らかに無理して笑っていた。
違う。見たいのはそんな顔じゃない。
太宰「無理言わないで。いいんだ。本当の事言って」
貴方「…女の子達は?」
起き上がって小さく首を傾げる。
しっかりと彼女の目を見た。
太宰「どうして今あの子達の心配なんだい?」
貴方「だって、太宰さん楽しそうに話してたから。僕より人間の女の子の方が良いんだと思って」
太宰「何言ってるの。私はあんな子達といるより君といる方が楽しいし、人間とか吸血鬼とか関係なく君が好きなんだよ」
貴方「本当は人間の方がいいでしょ?」
太宰「どうして」
貴方「いいよ。僕、この歯も抜くし目だって変わらない様にする。きっと病院に行けば人間にはない臓器も取ってくれるだろうし。太宰さんの為なら僕、」
言い終わる前に彼女を力いっぱい抱きしめた。
どうしてそんなに痛々しい事を平気で言えるんだ。
私が求めてるのはそのままの彼女なのに。
太宰「そんな事しないで。君の儘でいいんだ。人間じゃなきゃ嫌だなんて一度も言ってないじゃないか。ごめんね。私が断ってれば君が傷つく事もなかったのにね」
貴方「太宰さん…」
太宰「君の儘の君が好きなんだ。変わる必要なんてないよ」
何時もみたいに頭や背を撫でると私の首筋に擦り寄ってくる。
可愛い…。
貴方「……本当?」
太宰「うん、本当」
貴方「…そっか。良かった」
そう呟く彼女の頬に手を添えてまた何時もみたいに接吻をした。
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時