検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:192,717 hit

人との距離感 ページ41

部屋の出口まで歩いてやっぱりと思い直し、床に押さえつけられている北原さんの元に向かった。
足が痛い。頭も痛い。けど、それは後でどうにかなる。

貴方「北原さん、僕はあなたの事が嫌いだ。心から」

北原「そうか。俺もお前なんて大嫌いだよ。これじゃあ金を溝に捨てた様なもんだ」

貴方「北原さんにとって僕は札束の変わりだったかもしれない。けど、幾ら出して貰っていたとしても僕はあなたの言う通りにはなりたくないし、こんな風にされる事は幸せでも何でもない。ただの悪夢だ。もう二度と会いたくないよ。さよなら」

扉に寄りかかって立っていた太宰さんの元にまた足を引きずって歩く。

太宰「もういいのかい?言いたい事は山程あったのだろう?」

貴方「太宰さんがいるならもうあんな奴の事は忘れるだけだよ」

太宰「そう。行こうか」

車の後部座席に乗せられ、国木田さんと敦さんが来ると動き出した。
隣りに座ってる太宰さんは特に話し掛けてきたりもせず、偶に此方を見るくらいだった。

国木田「社まで戻るか?太宰」

太宰「え?戻らなくてもいいの?」

国木田「Aをその状態の儘にしておくのは良くないだろう」

太宰「仕事の鬼だと思ってた国木田くんがそんな事言うなんて!」

国木田「巫山戯るな太宰!報告書はしっかり書いて貰うぞ!」

太宰「わかったわかった。大きい声出さないでよ。彼女の傷に響くだろう?」

国木田「あぁ、すまない」

暫く沈黙が続くと車は見た事ある場所に止められた。
何処だっけ…。

国木田「社長には説明しておく」

太宰「助かるよ。A、降りよう。帰るよ」

言われる通りに降りて太宰さんの後について行くと、此処が見慣れた太宰さんの社員寮の前だと気づいた。
帰ってきたんだ……。


部屋に入ると安心感から身体中の傷が痛みだした。

太宰「大丈夫かい?」

貴方「触らないで」

また心配して伸ばしてくれる太宰さんの手から逃げる。

太宰「お風呂に入れば触らせてくれる?」

頷くと彼は小さく笑った。

太宰「一緒に入るね。傷も見たいし、一人じゃ無理だろう?」

貴方「酷いよ。いいの…?」

太宰「だからこそだよ」

貴方「……じゃあ、太宰さんが脱がせてよ。僕は出来れば見せたくないんだから」

太宰「わかった。抵抗しないでね。痛い事はしないから」

太宰さんはゆっくりと僕の着ているワンピースに手をかけた。
太宰さんなら良いと思ったけどやっぱり少し怖い。それはまだ彼奴の感覚が抜けきっていないから。

彼だから許せる事→←支配力の強さ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
498人がお気に入り
設定タグ:文スト , 太宰治 , 紅野
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。