【文スト】太宰さんに飼われてます【太宰治】

探さなきゃいけないのに ページ34

Aちゃんの言う彼奴は北原白秋さんにしてみました。目の前に本があったので。
特に設定とかはありませんので皆さんのお好きな様に想像してください。
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太宰side

目が覚めると探偵社の医務室にいた。
でも誰が？

「どうだい、気分は」

ゆっくり起き上がり私を見下ろす与謝野女医に大丈夫です、と答えて誰が私を此処に連れてきたんだろうと考える。

与謝野「国木田だよ」

太宰「へ？」

与謝野「アンタを此処に運んで来たのは国木田だ。昨日突然出て行ったと思えば中々帰って来ないからって探しに行った国木田と敦が、血相変えて血の気の無いアンタを引きずって来たのさ」

太宰「へぇ、国木田くんと敦くんがね。……え、昨日？」

与謝野「ほぼ丸一日寝てたんだよ。精神的苦痛からだろうね」

太宰「精神的？」

与謝野「A、だろう？吸血鬼の子。あの子が連れ去られたんだってねぇ」

太宰「そう、探さなきゃ……っ！」

立ち上がろうとするとまた視界が歪みだしてベッドに寄り掛かるように座り込む。

与謝野「無理すんじゃないよ。今のアンタの身体は使い物にならないだろうね」

太宰「何なんですか、此れ」

意識ははっきりしているのに視界はぼやけた儘で、走った後の様に息切れがする。何かの病気……？

与謝野「貧血に似た何かだね。精神面から来る異常だと思うけど、ちゃんと知りたいなら病院に行きな」

太宰「そんな暇ないんです。Aを探さなきゃ」

与謝野「ならもう少し休んどきな。今のままAを見つけて会った所で心配されるだけだろうからね」

太宰「そうかもしれませんね」

与謝野「そうだ、社長から言伝だよ。A捜索と女性大量殺人の件は並行してアンタと国木田と敦に任せるって」

太宰「社長がAを探してもいいって……？」

与謝野「関係ありそうなんだろう？」

太宰「可能性があるだけで確実じゃない。なのにどうして……」

与謝野「乱歩さんが社長に取り合ってたよ。太宰がそこまで執着してる女の人生がかかってるんだってね」

太宰「乱歩さんが？」

与謝野「何か思う所があったんだろうねぇ」

何時もなら我が道を行くと言わんばかりの行動を繰り返す乱歩さんが社長に頼み込んだ……？
まだ意見を出したとかなら納得できる。でも社長の頭にAの事はなかった。
まぁ乱歩さんが並行させるって事は関係ない訳ではないんだろう。
もう少し休んだら国木田くんと敦くんと調べよう。

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