38話 ページ39
御国に淹れてもらった紅茶を飲みながらぐるぐると考える。
どうしたらいいんだろう…。
御国が好きだ。
これはきっと飼い主としてじゃなくて、異性として。
でも好きになっちゃいけない。
そんな我儘言っちゃいけないんだ。
貴方「はぁ…」
御国「溜め息ついたら幸せが逃げるんだよ？まぁAが幸せかどうかはわからないけど」
貴方「幸せか…」
幸せだと言い切れる自信がない。
虐げられてきた時間が長いせいか、幸せが何かわからない。
貴方「わかんないや…」
御国「俺もかな。Aがいるから悪いわけでないけど」
貴方「本当に？」
御国「嘘言ってどうするの」
嬉しい。好きだから嬉しい。
でもそれは持っちゃいけない情だ。
苦しくなるだけだから。
自分の気持ちを誤魔化すように隣で本を開く彼に抱きついた。
御国「えっ、Aっ？」
貴方「……」
御国「…えっと。…ちょっと出かけよっか？」
わざとらしく立ち上がる彼。
動揺してるみたいだ。
貴方「御国耳赤いよ」
御国「気のせいだから！」
寝起きの散歩、と言ってももう昼を過ぎているから、ただの散歩だ。
お互いの距離を掴むようにどうでもいい事ばかり話しながら歩く。
すると前から見覚えのある人が歩いてきた。
貴方「あ、真昼だ」
向こうも気づいたらしい。
御国「つい昨日ぶりだね」
真昼「何だか機嫌いいですね」
御国「そう見える？」
ふと視界の端で顔を背ける怠惰が見えた。
わからなくもない。
怠惰は、知ってるもんね。
この身体に残る傷の事も、どんなやつがつけたかも。
貴方「目背けなくてもいいでしょ」
クロ「思い出すから…、会いたくなかった」
貴方「この姿では、ね」
それきり怠惰は黙ってしまった。
しょうがないか。
御国「どこ行くの？」
真昼「買い物ですよ。御国さんは？」
御国「気分転換の散歩。さて、そろそろ行こうか」
貴方「うん」
御国「じゃあまた」
真昼「はい」
あの感じだと真昼は気づいてないんだろうな。
クロside
俺がぼーっとしてる間に二人は遠ざかっていった。
やっぱあの姿のあいつとは会いたくない。
まだ守ってやりたいって思うから。
真昼「クロ？どうした？」
クロ「いや…別に」
真昼「さっきの女の人、誰だったんだろうな…。クロは話してたし知ってるんだろ？」
クロ「お前も知ってるだろ…。Aだ…。本当の姿の」
真昼「…A？え、あれが…？どういう事だよ」
あー、言わなきゃ良かったか。
めんどくせぇ…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
高木 真綾(プロフ) - 紅野さん» はいっ！りょーかいです( ﾟДﾟ)ゞ (2015年4月24日 21時) (
レス) id: 96ce31c9b0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 高木 真綾さん» まだ完全にできてないので2話くらい出来たら見れるようにします！すいませんちょっと待っててください(_ _`) (2015年4月24日 21時) (レス) id: e1527b1bd2 (このIDを非表示/違反報告)
高木 真綾(プロフ) - 続編はパスワード制…なんですか…？ (2015年4月24日 7時) (レス) id: 96ce31c9b0 (このIDを非表示/違反報告)
もづ(プロフ) - 紅野さん» 無理はしないでね！？w次の更新も楽しみに待ってます！(´∀`*)ﾉ (2015年4月6日 1時) (レス) id: 9ec4b06f79 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - もづさん» 久しぶりの更新でしたwもうちょっと早く更新できるようにしたいですww頑張ります！w (2015年4月5日 23時) (レス) id: e1527b1bd2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅野 | 作成日時：2013年10月21日 22時
