22話 ページ23
話が一段落ついて何を話すでもなくお茶を飲む。
貴方「今でも覚えてる…」
リリイ「何をです？」
貴方「御国があたしを正常にしてくれた時」
リリイ「治るなんて思いもしませんでしたね」
貴方「私だって人間の、…しかも子供に治されるなんて予想外だったさ」
これは御国がまだこの家にいた頃。
突然ひょこっと顔を覗かせた少年、学生だった頃の御国を見て部屋の端に逃げた。
子供だろうと関係なく怖かった。
すぐに大人になる。
その事実を知っていたから。
でもこの時リリイは違う部屋に居たから助けを求める相手はいなかった。
貴方「あんたも人間なんでしょ…？」
御国「そうだよ？」
貴方「なら来ないでよ」
御国「可愛いのにもったいないなぁ」
彼は笑顔でそう言うのだった。
その言葉、今まで何回聞いたかわからない。
貴方「ずっと昔からそう言われて来た。でも相手が人間なのには変わりないでしょ…？」
御国「おいで」
彼は手を私の方に広げた。
それだけなのに怖くて仕方ない。
貴方「嫌だ」
御国「なんで？」
貴方「あんたが、人間だから」
人間は怖い。
そう体が物語っている。
昔から色んな物を受けてきた結果がこれ。
御国「でも人間がみんな同じだとは思ってない。そうでしょ？」
貴方「根本的には同じ…。皆、同じだった…」
御国「俺、何もしないから」
そう言いながら彼は私の方にちょっとずつ近づいて来る。
私は怖くて一歩も動けない。
その場にうずくまる事しかできない。
貴方「人間は嫌…。もう恐怖や苦痛なんかは……」
御国「大丈夫。俺を信じて」
彼はそう言って私を優しく包んでくれた。
確かそうだった。明確には覚えていない。
目の前のことで精一杯だったから。
貴方「あの時は全てが狂ってたな」
リリイ「一度冷静に考えた方が何事もいいみたいですね」
貴方「そうだね。御国は…、どうして私を連れて行ってくれたんだろう」
リリイ「好きだったみたいですよ」
好き……？
何だって…？
貴方「え？」
リリイ「あなたを一目見た時から。そう言ってました」
その好きはどの好き？
あたしと同じ好き？
それとも別物？
貴方「あたし…どうしよう」
リリイ「まず今まで通りに戻る所から始めた方がいいんじゃないですか？」
貴方「……そうかもね」
もし御国の好きがあたしの好きと同じ物ならきっと今まで通りに戻れる。
いや、戻したい。
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高木 真綾(プロフ) - 紅野さん» はいっ！りょーかいです( ﾟДﾟ)ゞ (2015年4月24日 21時) (
レス) id: 96ce31c9b0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 高木 真綾さん» まだ完全にできてないので2話くらい出来たら見れるようにします！すいませんちょっと待っててください(_ _`) (2015年4月24日 21時) (レス) id: e1527b1bd2 (このIDを非表示/違反報告)
高木 真綾(プロフ) - 続編はパスワード制…なんですか…？ (2015年4月24日 7時) (レス) id: 96ce31c9b0 (このIDを非表示/違反報告)
もづ(プロフ) - 紅野さん» 無理はしないでね！？w次の更新も楽しみに待ってます！(´∀`*)ﾉ (2015年4月6日 1時) (レス) id: 9ec4b06f79 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - もづさん» 久しぶりの更新でしたwもうちょっと早く更新できるようにしたいですww頑張ります！w (2015年4月5日 23時) (レス) id: e1527b1bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2013年10月21日 22時
