好き?×30 ページ33
太宰side
貴方「あのさ、太宰。色々言わなきゃいけないことがあるんだけど」
太宰「なぁに?」
何処か苦しそうに言うA。
そんな顔しないでよ。此方まで苦しくなるじゃないか。
貴方「話の途中で不安定になったらご免ね」
太宰「いいよ、大丈夫」
貴方「有難う。まず、毎月返してる借金の話ね」
太宰「聞いてもいいの?」
今まで私に話さなかったのに。
言いたくないなんて言ってたけど、抱えきれなくなっちゃったんだろうか。
辛い時は言って。と何度も彼女に言った。でも大丈夫しか言わなかった。頑張りすぎたのかな…。
貴方「うん。あのね、ここ一年位毎月返済額が上がってるの…」
太宰「毎月?」
貴方「そう。先月まではまだギリギリ払えたの。でも…今月は無理。それを払っちゃうと生活できなくなっちゃう」
彼女の中で何かの糸が切れた。余程気持ちが追いやられていたんだろう。Aが珍しく声をあげて泣いた。
不安定になったら、なんて言っていたけれど、もう既に不安定になりかけていたんだ。なのに言葉にしてしまったことで全てが押し寄せてきたんだろう。
ここ迄不安定になるのは物凄く久しぶりのこと。
相当溜め込んでたみたいだ…。
太宰「おいで。そんなに泣いたら苦しくなっちゃうよ。話すのは落ち着いたらでいいから」
私のシャツをぎゅっと握るA。
それを抱き締めて大丈夫、と背中を擦ってやる。
暫くして落ち着いたものの話せるのかはわからない。かなり気が滅入ってしまっている。
太宰「落ち着いたかい?今じゃなくても良いのだよ?」
貴方「その儘で…いてくれたら、まだ…話せるから…」
弱々しく発せられた声。
本当は心配だから寝ていてほしい。でも本人が話したいと言うなら無理強いするつもりもない。
太宰「わかった。ゆっくりでいいよ。辛かったら止まってもいいから」
小さく頷いてまた話を始めた。
結局話し切るまでかなりの時間がかかった。
要約すると、
借金の返済額が毎月増えていてもう払えない。
貸している側の会社が潰れそうな為、出来るだけ回収して夜逃げでもしようとしてるんじゃないか。
三日に一度催促の電話、押しかけが来る。
本当は私に迷惑をかけたくなかった。
という感じ。
精神的にも肉体的にも休める時間がなかったんだろう。
私の体に体重を預けて浅めの呼吸を繰り返す彼女。
どうしたら守ってあげられるんだろうか……。
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自殺したい - 返信ありがとうございます!!私も今初めて小説を書いていますが難しいですね、、、。中3の頭ではキツいです、、。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 自殺したいさん» ありがとうございます…!最近はペースが落ちてきてますが気長に待ってもらえると有難いです…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 味の素さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
自殺したい - めっちゃいい話ですね。。。大好き。。 太宰さんがかっこいいーー!!泣いちゃいました。何回見ても飽きな!! これからも頑張ってください! 続きを楽しみにしながら腕に包帯を巻いておきます!!! (2017年10月25日 16時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってください!応援しております! (2017年10月1日 22時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年8月25日 23時