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好き?×21 ページ23

大きな電子音が聞こえて枕元に手を伸ばす。
誰だよ。こんな時間に電話なんて…。

貴方「は(『今何時だと思ってる!毎日毎日俺の予定を狂わしおって!』

はい、位言わせろよ。
……国木田?じゃあこの携帯は誰の?
大声で覚醒しきった目で携帯を確認する。

貴方「あ、これ太宰の携帯じゃん」

『ん?夕崎?』

貴方「間違ったわ」

『おい、何故お前が太宰の携帯に出る』

んーと…と唸っていると後ろから伸びてきた手に携帯を取られた。

太宰「やぁ国木田くん。朝から元気だねぇ」

その儘太宰は私を後ろから抱き締めて話しだした。
電話越しの国木田の怒号が此処迄聞こえる…。
自分の携帯を開くと朝と言うには遅い時間だった。

貴方「もう十一時じゃん…。着替えなきゃ…」

太宰「国木田くんそんなに怒ると将来禿げるよ」

貴方「ふっ国木田のっハゲっふふっ」

電話から『笑うな!夕崎!』と国木田の声が聞こえる。
だって想像したら面白かったんだもん。

貴方「とりあえず十二時迄には行くって言っときな」

太宰にそう促して彼の腕から抜ける。
お腹空いたし、昨日夕飯食べないで色々あったから。色々って言っとくよ!規制かかっちゃうからね!

簡単にご飯を作ってると電話を切った太宰がやって来た。

太宰「何だか、新婚さんみたいだねぇ」

貴方「籍入れてないし、私の中で入る予定ないよ」

太宰「え!予定ないの!?」

貴方「ないよ。だって……真面目な話になっちゃうから今度ね。ほら、もう出来るから座って」

予定がないってのは本当。
だって私には良くないものがついて回ってるし、あの面倒な異能もあるし、頭も顔もいい彼には見合ってないだろうし…。
それだけと言えばそれだけ。
彼のことは好きだけど、これ以上私の持ってるものに関与させるわけにはいかない。


太宰「それで…って、聞いてる?」

茶碗を持ったまま私の顔を覗き込んだ。

貴方「あ、あぁごめん、ぼーっとしてた」

太宰「考え過ぎは良くないよ。また身体壊したら大変だろう?」

貴方「大袈裟だよ。あれだって本当は一ヶ月で十分だったのに」

太宰「それでもだよ。君の事が大事なんだ。私だけじゃない。国木田くんも、乱歩さんも、社長も。皆が君のことを大切に思ってるし、頼りにしてるんだ」

貴方「…それはわかってるよ」

太宰「なら、取るべき行動もわかってるだろう?」

貴方「…そうね」

他人を優先する様になったのは探偵社に入ってから。
でも、自分も大事にしないとまた困らせちゃうな…。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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自殺したい - 返信ありがとうございます!!私も今初めて小説を書いていますが難しいですね、、、。中3の頭ではキツいです、、。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 自殺したいさん» ありがとうございます…!最近はペースが落ちてきてますが気長に待ってもらえると有難いです…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 味の素さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
自殺したい - めっちゃいい話ですね。。。大好き。。 太宰さんがかっこいいーー!!泣いちゃいました。何回見ても飽きな!! これからも頑張ってください! 続きを楽しみにしながら腕に包帯を巻いておきます!!! (2017年10月25日 16時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってください!応援しております! (2017年10月1日 22時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年8月25日 23時

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