【文スト】彼に好きとは言えない【太宰治】

好き？×２２ ページ24

ご飯を食べた後、着替えていたら太宰に手招きをされた。

貴方「何？」

太宰「ちょっとねー」

ニコニコと笑う彼は私に何やらつけ始めた。

太宰「今日はこれでいてね」

貴方「え？」

ふと鏡を見ると私の胸元には何時もの赤いネクタイではなく、彼のしているループタイがついていた。
合わない訳がない。彼の着ているシャツも私が着ているシャツも同じだから。

貴方「じゃあ、太宰はネクタイしてて」

太宰「Aが結んでくれるならいいよ」

嬉しそうに笑う彼を座らせてネクタイをつける。
何でも似合っちゃうんだよなぁ…この男は。

貴方「人の結ぶの得意じゃないんだけど」

太宰「昔はよくしてくれてたじゃない」

貴方「昔は昔。今は今」

まだマフィアにいた頃。
彼を嫌いだと思う前はよくやってやったものだ。
だって彼下手くそだったんだもん。

貴方「はい、終わり。そろそろ行かないと」

太宰「そうだね」

家を出て数分。
前から見たことある白髪の男の子が走ってきた。

太宰「あ、敦くん」

敦「あ、じゃないですよ。国木田さんが迎えに行けって言うので来ました」

貴方「お疲れ様」

太宰「お、今日の川は穏やかだねぇ」

敦「何でこんなに遅いんですか」

貴方「んー……」

ちょっと待てよ、今太宰なんて言った？
川だって？

敦「あ！太宰さん！」

敦くんが叫びきる前に私はノワールを出して鎖を引っ張った。

貴方「こら！太宰！」

太宰「もーどうして止めるのさー」

ノワールに抱えられた太宰は心底嫌そうな顔で文句を言った。

貴方「今入水したら国木田に何言われるかわかんないでしょ！」

鎖をぐっと引っ張って太宰を隣に立たせる。
疲れるからやめてほしい。

太宰「ほら、やっぱり飼い馴らせてないフリじゃない」

貴方「フリでも何でもいいでしょ。自分の意思で動かすと体力使うの」

太宰「知ってるよ。ほら行こう」

私に触る太宰。
ノワールがサーッと消えていく。

敦「はぁ……それで、何でこんなに遅いんですか？」

太宰「んー何ていうのかなぁ」

貴方「んーとねぇ…」

太宰・貴方「「大人の事情？」」

そう言って笑う私達を見て敦くんは真っ赤になっていた。
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ちょっと宣伝です
欲に負けました。中也くんの話です。
良ければ見てやって下さい。めっちゃ真面目、シリアスに走る予定です。
【文スト】中原さんに飼われてます【中原中也】

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