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好き?×41 ページ46

貴方「もう、大丈夫」

そう言った私の頭を数回撫でる。
織田さんに触れられてる…。
安心する。治とは違う安心感。
折角涙止まったのにまた泣きそうだ。

織田「良かった。……先刻の話だが」

貴方「先刻?」

織田「ああ。銃もその異能も使えばいいだろ」

貴方「え、いいの…?自分の力でって言ったの織田さんじゃん」

織田「そうだな。だが、もう限度のわかる歳だ。いいんじゃないか」

柔らかく笑うその顔は昔と何も変わってなくて、何時も私を見るべきものの方へ引っ張ってくれる。
私には織田さんが必要なんだ。
でも頼ってばかりじゃいけない。そろそろ自分で歩けるようにならなきゃ。

貴方「…そっか。織田さんが言うなら」

織田「俺じゃなくてもお前には太宰がいるだろ」

貴方「違うの。彼は後押しなんてしてくれない。きっと自分の好きな様にしろって言うもん」

織田「あれだけ嫌ってなのにな」

貴方「…治のこと何にも知ろうとしてなかっただけなの。私が見てたのは彼に向けられた言葉ばかりで、言葉の先にいる彼の事は見えてなかった」

織田「そうか」

貴方「今はね、彼自身を見れてるから好きって思えるの。昔より表情豊かだしね」

彼は自分の足でちゃんと自分の行くべき道をあるいてる。
だからそろそろちゃんと私も自分の道を一人で歩けるようにならなきゃ。
もう織田さんに頼るのはやめよう。今度は見てて貰おう。私の選ぶ人生。

貴方「織田さん、有難う。そろそろ行くね」

織田「わかった。体には気をつけろ。今のAには沢山の人がついてる。あまり心配させてやるな。特に太宰には」

貴方「わかってるよ。また来るから。今度は治も連れて二人で」

織田「待ってる」

貴方「じゃあね。織田さん」

手を振る私に彼も小さく手を握った。
泣きそうだ。
でも午後からは仕事をしなきゃいけない。
もう行かないと国木田くんに怒られる。
せめて探偵社につくまでは泣くのはやめよう。

ノワールの力を解いて何時も通りの視界に戻し、速足で少し遠い探偵社に向かった。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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自殺したい - 返信ありがとうございます!!私も今初めて小説を書いていますが難しいですね、、、。中3の頭ではキツいです、、。 (2017年10月30日 23時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 自殺したいさん» ありがとうございます…!最近はペースが落ちてきてますが気長に待ってもらえると有難いです…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 味の素さん» 返信遅くなりましたが、ありがとうございます…! (2017年10月25日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
自殺したい - めっちゃいい話ですね。。。大好き。。 太宰さんがかっこいいーー!!泣いちゃいました。何回見ても飽きな!! これからも頑張ってください! 続きを楽しみにしながら腕に包帯を巻いておきます!!! (2017年10月25日 16時) (レス) id: 97c9eaf3cf (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってください!応援しております! (2017年10月1日 22時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年8月25日 23時

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