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四言目 ページ6

今私は情報提供に来ている。
少し人通りのある住宅街の道。
相手は探偵社だ。
普段なら太宰が来る。けど、今日は違うみたいだ。
遠くからキョロキョロし乍ら此方に向かって来る白髪の少年。
中島敦だ。
ちょっと意地悪で異能を使ってみる。

『本当に此処にマフィアの人が情報提供になんて来るのか?太宰さん適当な事言ったんじゃないかなぁ……』

太宰上司のくせに疑われてやんの。
まぁどうせ近くにいるんだろうけど。

貴方「私がマフィアの情報提供者だよ。中島敦くん」

敦「え、あ、初めまして。すみません、遅くなっちゃって」

敵組織なのに身構えもしないなんて、よっぽど優しいのか、芥川しか敵だと思ってないのか、私が弱そうなのか……。

貴方「いいよ、気にしないで。太宰だったら後三十分は待つだろうから早い方だよ」

敦「え、後三十分……」

コロコロと表情を変える彼。
面白くてつい笑ってしまった。

貴方「はい、資料ね」

敦「有難う御座います。でもどうしてマフィアが探偵社に情報提供なんて」

貴方「マフィアがって言うよりかは私が、探偵社にって言うよりかは太宰に、だから成立してるんだよ」

敦「えーっと、つまり……」

「個人的にやり取りしてるってことだよ」

敦くんの後ろから当然の様に話に割り込んで来た太宰。
仕事しろよ。

貴方「やっぱりいた」

太宰「君に会いたくてね」

貴方「早く死ね」

太宰「やだなぁ。私と同じ目してるくせに」

貴方「あんたが美女との心中を目指してるように、私は中也の手で死にたいの」

太宰「あの蛞蝓の何処がいいんだか」

貴方「……何処でもいいでしょ」

太宰「へぇ、まだ上手くいってないんだ」

貴方「……関係ない」

太宰の隣で敦くんが困ってる。
まぁちゃんとした会話になってないもんね。
太宰には何でもバレる。というか、偶に会って愚痴るから中也と上手くいってないのはバレるどころか、知られていて当然なのだ。

太宰「また私の所に来ればいいのに」

貴方「遠慮しとくよ」

太宰「そう。私は君がいてくれた方がいいのだけれど」

貴方「私は御免だね」

私は太宰がマフィア幹部をしてた頃、幹部補佐兼秘書をしていた。だから嫌でも太宰とほぼ毎日一緒にいた。時には仕事の関係で一週間以上一緒にいた時もある。
まぁ詳しくはまた今度。


太宰「ねぇ、ちょっとお茶しよう?敦くんも一緒さ」

太宰の目は拒否権はないと言っていた。
しょうがない。ちょっとならいいだろう。

貴方「ちょっとだけね」

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設定タグ:文スト , 中原中也 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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紅野(プロフ) - お白湯さん» コメントありがとうございます。やっぱり同じになる人多いですよね。いつも名字つけようか迷ってつけるのですが読む人にとったらどうなんでしょうか……。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
お白湯 - 夢主ちゃんの名字が、私の本名の名字と読み方違うだけでびっくりしました(笑) (2019年1月13日 1時) (レス) id: fa6e0c5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます!頑張って書こうと思います! (2018年10月1日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 寧ろ書いて欲しいです、続編楽しみに待ってます! (2018年10月1日 20時) (レス) id: 956436ae5b (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 月詞さん» ありがとうございます!いつもゆっくり更新ですが頑張りますね! (2018年9月28日 19時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2018年4月15日 0時

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