十七言目 ページ20
結局自室に銃はなさそうだ。
なら何処に……。
知ってるとは思えないけど一応中也に聞いてみるかな。
携帯の連絡先から中也を探し、電話じゃ忙しいのに悪いからメールにした。
『忙しいのにごめんね。知らなかったら別にいいんだけど、昔使ってた銃知らない?私の部屋にはなかったんだけど…』
送信を押して昨日の情報をまとめようとパソコンに向かった。
すると突然携帯が鳴った。
液晶に出ていたのは予想もしなかった相手。
中也からだった。
慌てて通話釦を押す。
『お前、銃って!どうして、何で今探してンだよ。何に使う気して「中也、落ち着いてよ」』
電話越しに聞こえた彼の焦った様な声に驚いた。
もしかして中也って心配症……?
それとも私が彼の目に危ない奴って映ってるだけ?
『……悪いな』
貴方「ううん。心配してくれたんだよね。大丈夫だよ。任務で外行くから探してただけ」
『は?任務で外?』
貴方「そうだけど……」
『………俺も行く』
貴方「え、何言ってんの。忙しいでしょ」
電話越しに瑞希さんの駄目ですよ!何言ってるんですか!と声が聞こえた。
『瑞希、ちょっと席外してくんねェか』
彼の静かな声が聞こえてすぐに扉の閉まる音が聞こえた。
『……俺も行く』
貴方「芥川とか樋口ちゃんもいるから大丈夫だよ」
『何が大丈夫なンだよ。今日だって帰って来たの朝方だし、無理して行って倒れたら困るだろ』
貴方「……じゃあ首領が良いって言ったら来ても良いよ」
『交渉してくる』
そう言ってプツっと電話を切られた。
本気だ。本気で来る気だ。
昔から彼は本気になったら折れない。
基本的には妥協も諦めもしない。
どうして一緒に行くなんて言うんだろうと作業を続けながら考えているとコンコンとノックする音が聞こえた。
貴方「はぁい。どうぞー」
切りのいい所まで入力し、後ろを見れば椅子に中也が座っていた。
貴方「え、どうしたの」
中也「……首領から許可取ってきた」
貴方「本気?」
中也「本気じゃ悪いか?」
貴方「いいけど、別に……」
そして突然テーブルの上に持っていた何かを置いた。気になり視線を移すとそれは私が探していた銃だった。
貴方「それ、何処にあったの!」
中也「俺の部屋。幹部補佐辞めた後、俺が預かってた」
貴方「え……。預けた?そうだっけ。覚えてないや」
中也「あの頃酒と自 殺で荒れまくってただろ。だから覚えてねェんだ」
荒れてた……?
覚えてない。太宰が居なくなった頃の事は全く。
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紅野(プロフ) - お白湯さん» コメントありがとうございます。やっぱり同じになる人多いですよね。いつも名字つけようか迷ってつけるのですが読む人にとったらどうなんでしょうか……。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
お白湯 - 夢主ちゃんの名字が、私の本名の名字と読み方違うだけでびっくりしました(笑) (2019年1月13日 1時) (レス) id: fa6e0c5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 聖宮さん» ありがとうございます!頑張って書こうと思います! (2018年10月1日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
聖宮(プロフ) - 寧ろ書いて欲しいです、続編楽しみに待ってます! (2018年10月1日 20時) (レス) id: 956436ae5b (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 月詞さん» ありがとうございます!いつもゆっくり更新ですが頑張りますね! (2018年9月28日 19時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2018年4月15日 0時