【文スト】帽子幹部は私にだけ口数が少ない【中原中也】

プロローグ ページ1

私の彼は、マフィア幹部の中原中也である。
彼の事は大好きだ。
彼『自体』の事は。
格好良くて、細身で、でも強くって、優しくて、背はちょっと低いけど私より大きいから何も問題はない。
そんな遠くから見る彼の事が一番好きだ。

というのも、普段私は彼と同じ家で過ごしているわけで、仕事以外の彼を知ってる。
否、ある意味私しか見れない彼なのかもしれない。

彼は私の前だと突然口数が少なくなる。
それだけじゃない。
あまり表情を変えることも無いし、其処らの恋人同士がする様な事は一つもしてくれた試しが無い。
そう、手を繋いだ事すら無いのだ。
もう付き合って二年になるのに！

この前樋口ちゃんと話していて其処まで何もされていない事に我ながら凄く驚き、同時に凹んで、今悩んでいる。
だって私も恋する乙女だ。
もっと彼に色々してほしい。
向こうが何もしてこないから此方も仕掛け難い。
本当は彼の手袋をしてない白い手を握ってみたいし、癖のある柔らかそうな髪にも触れてみたい。
こんな風に言っていたら変態みたいだけど、ちゃんと付き合ってるから問題はないと思いたい。




とりあえず、彼がどうして私の前だと別人になってしまうのか知りたい。
私の何処かが悪いなら直そうと思う。
顔とかは無理だけど。
出来る所は全力で直したい。
彼の事が大好きだから。

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