【現在】84+3：兄弟とは ページ8
とある休日の午後。
家にはあたしと歌詞くんしかいなかった。
みんな最近忙しいみたいだし、いーちゃんと星太はというと土日は歌詞くんのお母さんのところに泊まりに行くからいない。
まぁだからなんだって話なんだけどね？
貴方「…歌詞くん」
歌詞太郎「ん？」
貴方「そろそろ天月くんに怒られる予感なんだけど」
そう。
問題は歌詞くんがあたしの後ろから抱きついたまま床でごろごろしてること。
つまり、絶賛抱きまくら営業中。←
歌詞太郎「うん。そろそろ面倒くさくなりそうだなぁとは思ってるよ」
貴方「じゃあやめなよww」
歌詞太郎「いやぁ、でもさ？兄弟だよ？ダメかなぁ」
貴方「ダメなんじゃない？天月くんのことだから身内だろうとなんだろうと嫉妬するからね」
歌詞太郎「まぁねぇ」
あたしの背中に頭をくっつけてそう言ってきた。
つか歌詞くん腕長い。
いや、足も長いけど…違うか、全体的に細長いのか。
チラッと見える手は本当に男の人だなぁって思う。
長い間同じ家にいるからか普段あんまり意識しないなぁ…
貴方「最悪歌詞くん追い出されるよ」
歌詞太郎「俺も思ったww」
貴方「でも天月くんよっぽどじゃないと態度とか顔とかに出ないからなぁ…」
歌詞太郎「それたぶんAの前だけだと思うよ」
貴方「え、どういうこと」
歌詞太郎「本人いないと何でも言えるってやつじゃない？すぐAの話始まるもん」
貴方「どんな話してる？」
歌詞太郎「どこが好きとか、可愛いとか、妬いてる時は目が怖ったり、相手が俺達以外だったら愚痴ってきたりとかかな」
貴方「いーなー。そんな天月くん見てみたい」
天月くんも長い間一緒にいたからかそんなに意識しない。
むしろ他のみんなよりも意識してないかも。
でも夫なんだよなぁ…
なんかもうちょっと意識させてくれないかな。
自分で心配になってきたよ。
歌詞太郎「今度こっそり見てればいいよw」
貴方「そうするw」
歌詞太郎「…俺まだAのこと好き」
貴方「そんなことわかってるよ。でも今ある線超えたらお互い辛いだけだよ」
歌詞太郎「うん…。せめて今くらい許して？理解してても苦しいんだから」
貴方「天月くん帰ってくるまでね」
そう言うと歌詞くんは嬉しそうにふふっと笑ってさっきより少し強く抱きしめてきた。
この後帰ってきた天月くんにバレて面倒くさくなったのは言うまでもないだろう。
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作者名：紅野 | 作成日時：2016年1月20日 22時
