↑続（まだ続きます） ページ5
「何してんの…？」
どうしたらいいかわからずに泣き続けていると後ろから声をかけられた。
貴方「え…？」
振り返るとはしやんがこっちを見ていた。
はしやん「だから、こんなとこで何してんの？」
貴方「ボーッとしてて…気づいたらここにいて…怖くて…」
はしやん「あぁお前暗いとこダメだもんなぁ。ほら、こっち」
はしやんは手を優しく握ってくれた。
そのままついて行くと明るい道に出た。
はしやん「何でさっきからそんなに震えてんの？怖かったから？」
怖かったから。それは間違いじゃない。
でもまだ怖い。涙止まんないし。今天月くんに会いたくない。
会いたくない…？
こんなの初めてだ。天月くんの側は落ち着くはずなのに、安心できるはずなのに今は天月くんとはいたくない…。
貴方「…やだ…もうやだ」
その場にしゃがみ込むとはしやんは背中を優しく撫でてくれた。
はしやん「大丈夫か？つか、帰れんの？そんな精神状態で」
貴方「…帰らない…帰らなきゃ…天月くんとは…いたくない…でも…帰らなきゃ…」
はしやん「A、天月には連絡してやるから落ち着くまで俺ん家いなよ」
貴方「…うん」
はしやんがわかってくれる人でよかった。
まぁ中学生の頃からの仲だし、天月くんの次にあたしのことわかってるのかもしれない。
はしやんの家についてもまだ落ち着かなかった。
だからかはしやんは歌詞くんを呼んでくれた。
はしやんも歌詞くんも他のみんなより一緒にいて落ち着く。
はしやん「無理すんなよ？今日も大変だったんだろ？」
貴方「え…？」
はしやん「廊下ですれ違った女子たちがなんかAのこと話してたから聞いた」
貴方「…天月くんには言わないで！」
はしやん「なんで？」
貴方「…心配してくれるのはいいんだけど甘やかしすぎるの。あたしのこと」
はしやん「甘えとけばいいじゃん」
貴方「そんなことしたら天月くんが困っちゃう」
ただでさえたまに困った顔してるのに。
天月くんの困った顔見ると泣きそうになる。
あたしのせいだって。
歌詞太郎「気にしすぎ。あいつが好きでやってるんだからいいんじゃない？」
歌詞くんはあたしを抱き寄せて頭を撫でてくれた。
少し落ち着いたのを見てはしやんは天月くんに連絡するために部屋を出て行った。
貴方「いいのかな…あたしのせいで思い通りにならない事いっぱいあるのにどうしてあんなに一緒にいてくれるんだろう…」
歌詞太郎「本気で好きだからじゃないかな」
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作者名：紅野 | 作成日時：2016年1月20日 22時
