【昔】84+2:転校生 ページ4
高校時代。天月くんと付き合って一年経つか経たないかくらいの時の話。
ちょうどこの頃は天月くんと付き合ってるのが薄々天月くんのこと好きな女の子たちの間で噂されるようになっていた。
はしやん「知ってる?4組に転校生来るらしいって」
貴方「なにそれ」
つかこの時期に?
三年なのに?
まふ「そうなの?」
はしやん「らしいよ。しかも女の子だって」
貴方「ふぅん」
また天月くん囲う子なのかな…。
まふ「どんな子?」
はしやん「噂だけどめっちゃ可愛いって」
逆だったらどうしよう。
天月くんがその子に目いっちゃったら…。
まふ「本当の話?」
はしやん「転校生来るのは本当だけど可愛いかどうかは噂だからわかんね」
貴方「もし本当にすごい可愛いなら天月くん目移りしないかな…」
はしやん「あぁあいつら同じクラスか…。でも目移りはしないだろ。天月はAのこと大好きだからなぁ」
まふ「ないと思うよ。天月くん、A以外ありえないってよく言ってるもん」
貴方「やな予感しかしない」
はしやん「なんだかんだ言っといてAも天月のこと好きだよな」
貴方「当たり前でしょ」
そんな会話してたのが朝のこと。
普段ならすぐ忘れるのに授業中でもその事が頭から離れなかった。
嫌な予感。休み時間に度々聞く可愛い転校生の噂。そんな二つが合わさってか今日はものすごく疲れた。
委員会も上の空状態で気づいたら終わっていた。
帰ろうと思っても外靴を隠され、あったと思ったら女子たちの集団に囲まれて悪口を言われたり蹴られたりする。そんな陰湿ないじめのせいで帰りも遅くなってしまった。
帰り道も時期が時期なだけに薄暗いのにボーッとしていて気づいたら知らない小道に入っていた。
貴方「…どこ、ここ」
周りを見ても家と家の間なのか電気がなくて暗いため何もわからない。
怖い。いつもなら天月くんが来てくれたり、遅かったら電話してきたりする。
でも今日は何もない。
暗いことも怖い。でも天月くんが気にかけてくれないのはもっともっと怖い。
貴方「天月くん…」
今日は噂の転校生のことで頭いっぱいだったのに女子のいじめにもあって精神状態は最悪だった。
貴方「あ…携帯…」
ここに来て携帯が無いことに気づく。
家に忘れてきたのか、女子に取られたのか。
ボーッとし過ぎててわからない。
もうやだ。怖い。辛い。なんで今日に限って来てくれないの…?
助けてよ…。
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もう少し続きます。
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作者名:紅野 | 作成日時:2016年1月20日 22時