． ページ19
．
カーテンから差し込む眩しすぎる日差しが私たちを照らす。
時計は11時半頃を指していて、何となくお腹が空いたような気もしてくる。
とりあえず顔を洗って、歯磨きをして。寝室に戻ると眩しいのか少し眉間に皺を寄せて、でもまだ眠っている彼。
『もうお昼だよ』
「んん」
『起きて〜』
「んんん」
『お昼、外に食べ行こうよ』
そう言うとやっと目を開いて、スマホで時間を確認する彼。ノールックでメガネを探そうとする彼の手に、お目当てのものを渡してあげる。
「あ〜、せっかくの休日ちょっと無駄にしたわ」
『そう？たくさん寝れたならええやん』
「それもそやね。昼、何食べ行く？」
『ん〜、後で調べよ。ほら、準備して！』
そう言うとやっと準備を始めた大吾くん。
鏡の前でも寝癖を直す彼を見るのが好き。こんな日常に、一生を望んでしまう私は我儘なのかな。ずっと一緒にいれる確証なんてないけれど、私から離れていくことはないって自信ならある。そんな思いを込めて、洗面台にいる彼を後ろから抱きしめる。
「Aさん」
『ん？』
「動きにくいです」
『頑張ってください』
「離れてください」
『そんな！昨日は一生ハグしてくれるって言うたのに！』
「そうやった！！！」
私がそうふざけていいながらリビングに戻ろうとすると、彼が勢いよく振り返る。そのまま次は私が後ろから彼にホールドされる。
『苦しい〜』
「僕の愛を受け止めなさい」
『愛情表現が下手なのよ』
「どうする？このまま店まで行く？｣
『どういう罰ゲーム？』
「一生ハグしてって言うたのAちゃんやん｣
『ほら、お昼食べに行くよ』
「…もう少しだけ、このままいさせて」
そのまま首元に感じたのは柔らかい感触。
あぁ、ずっと、このままいたい。
永遠を願う相手は、君しかいないの。
(“一生”なんて言葉を確証もなく使うのは嫌いだ)
(だけど、今は使ってもいい気がする)
(君になら、僕は、一生を誓える)
✄------------------
リクエストありがとうございました◎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：L | 作成日時：2022年5月4日 0時
