Laundry. (ページ18)

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お酒を飲んだ彼は可愛い。
酔った彼を見るために、おつまみだって張り切ってしまうくらいには彼に溺れてしまっている自分に気がつく。

『晩酌ゆったり2人でするのも久しぶりな感じするね』

「Aちゃんの手作りおつまみ〜」

“美味しい美味しい”と言いながら、お酒を呑み進める彼。二人で一献傾けるこの時間が大好きだ。

『大吾くんと呑むお酒はさ、いつもより美味しい気がする』

「気がするんじゃない、美味しいのよ。僕のお陰で」

『何でそんな自信満々なの』

「僕はAちゃんのためにいるからね〜」

『なにそれ』

「Aちゃんの望むことなら何でも叶えてあげる」

ニヤニヤしながらグラスを口に運ぶ彼。今日はやけに上機嫌な笑窪を盗み見る。高い鼻、綺麗なフェイスライン。私にとっては完璧な横顔に見惚れていたら、“何見てんのよ”と茶化すように呟く。グラスを置いたタイミングを見計らって彼の首に手を回す。

『じゃあさ、例えば私のこと一生こうやって抱きしめてって言ったら叶えてくれるん？』

大吾くんは一生とか、ずっととか、あまり好まない人だと思う。別に愛を信じていないとかではなくて、
彼は現実的な人だから。
それでもわざわざ“一生”という言葉を使ってしまった
自分の狡猾さに呆れてしまう。

「逆にええの？一生ハグしてて｣

そう言うと私を潰すかのような勢いで抱き締め返してくる大吾くん。

『しんどい〜、離して！』

すると少し力を緩めて、私の頭を撫でてくれる。そのまま大吾くんが話し始める。

「でも、Aちゃんの言うことは何でも叶えたくなってまうんよ、ホンマに。…だからさ、もっとたくさん我儘言ってや。｣

私は酔った大吾くんが好きだ。
いつもより、本音を私に囁いてくれるから。