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「ああもう勘弁してくれーっ!!」
ミャオ、と飛びつく黒猫。アンさんが十字の杭を手に僕に襲いかかる。
これは避けられない……。
致し方なく一発貰うと、いつもの
「うぐ……ッ!!」
え、ノーワンじゃないよね?
いやそれならもう倒れているのだけれど。
何これ、痛すぎない?
気を失うかと思ったが、何とか持ちこたえる。
ここで僕が即死してしまうと勝つのは難しくなる。それだけは何としても避けなければ。
「はぁっ、アレをまた食らうのは絶対に嫌だ…ッ!」
「本当にどうされました?様子が変ですが……」
「衣装の影響で」
「……なるほど」
「あの、そちらに行って大丈夫なのですか?」
「へ?」
「教会内ですが」
ヒュッと喉が鳴った。
講壇の奥の巨大な十字架が僕の目を焼く。
背後には、心配そうな瞳を向けながらも武器を構える彼女が映る。
前にも後ろにも逃げ場がない。
荘園の主はこんな僕の姿を見て面白がっているのだろうか……。
「……」
久しぶりに腹が立った。
こうなったら何としても5台分逃げ回ってやろうじゃないか!
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作者名:大二重 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2021年3月21日 18時