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それにしても、何て再現度なんだ……ドラキュラ伯爵の衣装そのものじゃないか!
……荘園の仲間たちが高いエコーを支払ってでも衣装を買う理由が、分かった気がした。
いそいそと着替えると、不思議な心地になる。
服に着られていないかな……。
姿見を覗き込もうとした途端、僕は反射的に顔を背けてしまった。
鏡は嫌だ。見たくない。
「……?」
何を考えているんだ僕は。
それじゃあ折角の衣装を見れないじゃないか。
あれ、そういえばドラキュラ伯爵の苦手なものは──
「トリカブト、十字架、鏡……」
呟くだけで嫌悪感が出てきた。次に見たら絶対に蕁麻疹が起こる。
衣装の「副作用」……そんなことあるのだろうか?
バグだったら困るし、ルカくんに相談してみるとしよう。
「ああそれか!大丈夫だよ、良くあることだから」
「うん全然大丈夫じゃないね」
ルカくん曰く、衣装には変化が付き物らしい。中には性格も変わることがあるのだとか。
言われてみれば「レクイエム」衣装の白黒無常の二人はマフィアみたいだし、「スプリング」衣装のナワーブくんは子供っぽい。
あれ、衣装に合わせてキャラを作ってたんじゃなかったんだ……。
役者に向いている人が多いと思っていたけれど、違うみたい。
「吸血鬼か……素敵な衣装じゃないか!」
「本当かい?嬉しいよ!これ、僕のスターの衣装なんだ!」
「スター?」
「……うん。もう居ないのだけれどね」
オリヴァー。僕のスター。
僕の青春を彩った仲間たちのひとりであり、無二の友だった。
― ― ―
オリヴァー
Aの友人であり、スター。故人。
お名前を把握していただく程度で大丈夫です(汗)
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作者名:大二重 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2021年3月21日 18時