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番外編 Last Letter2 ページ33

左馬刻side





何度か目にした男からもらったのは、Aが好きだった男からのもの


正直良い気はしないが、内容を確認せざるを得ない


俺は隣で喚くAの頭を抑えながら読み始めた



なんとなく文章で感じる万人受けするような人柄


書いてある内容は簡単に言えばAをよろしくということだった




『きっとこの手紙を読んでいるということは、僕は死んでいるんだろう』


『そして僕以上に大切に思ってくれる人ができたのだろう』



内容からして未来を予知して書いているのかとすら思えた


直接会うことは不可能だが、なんとなく意思疎通出来ている気がして俺の中にあった嫉妬というモヤは消えていた





「な、なんて書いてあったんですか!?」

「男の約束ってやつだ」

「は!?」





隣で喚くAから少し離れ、俺はライターで火をつけた


やった理由はもちろん手紙に

『Aに見られると恥ずかしいからね(笑)』

と最後に書いてあったからだ


Aは絶望的な表情を浮かべていたが、仕方ない


俺が男の約束と言えば首を傾げ始める


まあ、わからなくても当然といえば当然か


これでAのことを守る理由は増えたわけであり、共に過ごす理由も増えたわけだ


もちろん自分の傍から離れるような不満を覚えさせる気なんてないし、俺自身から離れる気もない





「A」

「なんですか」




少し眉間にシワを寄せながら言うA


シワを押せば

『ちょっ……!?』

と言いながら退いた




「なんですか、急に」

「俺から離れんなよ」

「……え?」

「俺が絶対にお前を守ってやるからお前も俺から離れんな」

「……別に離れるつもりなんてないですけど」




少し頬を赤らめながら言うAがいつもと違って見えていつも以上に愛しく思えた


それが無性にムカついて俺が片手で頬を掴めば当たり前だが、顔の形が変わる




「な、なんでひゅか、急に」

「面白い面してんな、って思ってな」




俺はそう誤魔化しながらAに笑った


なんとなくしかあいつがかつて愛した男のことを知ることができないが、誓ってやる


俺がAを守り抜くって

あとがき→←番外編 Last Letter1



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山吹美咲(プロフ) - 恋歌さん» 乱数オチは最後の方に残しておきたくて書かないでいたのですが……誤解をさせてしまってすいません。今日中に書くようにします (2019年2月15日 13時) (レス) id: 5095a9f0f0 (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - 乱数落ちは書かないのですか?あと次もし新作を作るのなら乱数落ちのものを作って欲しいです (2019年2月15日 6時) (レス) id: 51f8eec8e8 (このIDを非表示/違反報告)
山吹美咲(プロフ) - 星海さん» コメント、リクエスト共にありがとうございます!!男装ネタは書いたことないので候補に入れさせてもらいます!! (2019年2月10日 0時) (レス) id: 5095a9f0f0 (このIDを非表示/違反報告)
星海(プロフ) - REVIVALも読ませて頂いたので、夢主の成長にとても感動しました…!ありがとうございます!!新作についてなのですが、訳あって男装している夢主と全ディビジョンとの逆ハー的なのどうでしょうか…?もし、書きやすそうだったらお願いしたいです!長々とごめんなさい… (2019年2月9日 10時) (レス) id: e06a4c46b7 (このIDを非表示/違反報告)
山吹美咲(プロフ) - 2次元屋さん» ありがとうございます!現在いくつか番外編を書くことを決めているのでまた時間があったらよろしくお願いします! (2019年2月8日 22時) (レス) id: 5095a9f0f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山吹美咲 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年1月24日 18時

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